君はどんな木
君は一本の木なんだ。
世界の中心なんだ。
君を作り上げている世界を見てみよう。
○土壌
祖先や自然が何年、何十年、何千年、何万年、何億年と果てしない時をかけて作り上げてくれた礎。
未来へ繋がる大地。
祖先が残してくれた、知識、歴史、起源、根源、自分を形作る大元(見た目、概念、思想、性格)を栄養として根っこが吸収する。
吸収した栄養は、君がどの様に育つかの一部を決めてくれる。
そして、根っこからも土壌へと必要な養分を与える。
君達が作り出した土壌が未来の苗木の土壌を作り出す。
○根っこ
根っこは自分の深層心理。奥底の感情。
周りには見えないし、見せない自分。
葉っぱや土壌から貰った豊かな栄養で太く根強く育って行く。
土壌が君の大事な根っこを支えてくれる。
根っこは君にとって大事な物。魂そのもの。
根っこがしっかりと大地に根を張っていないと、外的要因(嵐だったり)にすぐに負けてしまう。
根っこがどれだけ大きいのかは、君でも本当の所は分からない。
根っこを大きくする為には自分を愛し、信じる事。
それは、周りを大事にするという事に繋がり、多くの栄養が根っこを育ててくれる。
○葉っぱと枝
葉っぱは周りの人達。君の人間関係。
関係が濃い人も、通りすぎるだけの関係の薄い人も含めての全ての人間関係。
君に癒しを与えてくれるペットも、色んな情報を運んで来てくれる、君の大好きなユーチューバーも、推し活しているアイドルだってそうなんだ。
関係が濃い人の枝は太いし、薄い人は細い。
関係の薄い人は、ちょっとでも衝撃を受けると簡単に枝が折れてしまう。
葉っぱである人達は、本体の君に情報や知識や経験を共有してくれる。
それが栄養となり、枝から幹を通り根っこに繋がる。
逆に根っこからは、君が得た情報や知識や経験という栄養を、葉っぱに送ることにより枝が太くなり、葉が青々と生い茂る。
葉っぱが多ければ多い程君に沢山の栄養を与えてくれる。
病気になった葉っぱは君にとって悪い物を送る。
切って失くす事は簡単だけれど、傷がつく。
もしかしたら、その傷が原因で本体が病気になったり、その枝には一生葉っぱができなくなるかもしれない。
だから病気になった葉っぱは癒した方がいい。
その葉っぱも自分の一部なのだから。
病気になった葉っぱを癒すには、何故その葉っぱが病気になったのか知る事が大事。
必要なのは、その葉っぱも自分の一部だと認め、理解し、許し、愛してあげる事。そして、何が足りないのか、どんな治療をすれば良いのかをじっくりと考えてあげて、根っこや他の葉っぱからの栄養を注いで治してゆく。
努力の甲斐があって治った葉っぱは、他の葉っぱとは比べ物にならない程の、君にとっての大事な栄養をいっぱい運んできてくれるだろう。
その栄養は、根っこが大きくなる為の大きな力になるだろう。
そして、年月を経て枯れた葉っぱは大地に還り、君の土壌の栄養となる。
○幹
君の本体。
年輪を作り、歳を重ねて大きくなる。君の体だ。
傷ができたら樹液を出し、修復する。でこぼこになりながらも、上へと伸びていく。
まっすぐ天高く伸びる高い木もあれば、曲がりくねって力強くて太い木もある。
自分の歩んだ人生の経験が幹を形作る。
雷や病気で折れた幹も周りに助けられて治したり、自力で治したりして大きなコブを作りながら更に成長していく。
挫折、苦節が多い人生を乗り越えて、傷付きながらも立派に育つ木の幹は、複雑な形をして周りの人を魅了する程圧巻なんだろうな。
そして幹は、根っこから吸収した栄養を全体に流す役割もある。
君の根っこの部分で育った栄養が、君の体を通り、葉っぱに届き葉っぱが育つ。
逆に、葉っぱからもらった栄養を根っこへと届け、自分の深層心理、人間性や道徳を育てる。
関わった人達、培った経験は自分の成長に繋がり、周りの成長にも自分が繋がっている。相互関係だ。
その栄養をお互いに送り合う役割ができるのが幹で、君の本体。体だ。
○天候
木を育てる為に必要な環境。
君の感情だ。
穏やかな天気もあれば、荒れ狂う天気もある。
楽しく、健やかな感情の時は晴天で、太陽が優しく降り注ぐ。
悲しくて涙が出る時は雨が降り、大地を潤し全てを洗い流してくれる。
雨が上がると空気は澄み、清々しく晴れ渡る。
けれど、悲しみが深いと土砂降りになり、酷いと根腐れしてしまう。
怒りは雷だ。
雷は空気に栄養を生んでくれて、君の活力だったり原動力になってくれる。
でも当たりどころが悪いと自分を傷つけてしまう。
荒んだ感情は日照りになる。
全てが渇いてしまう。
大地も乾き、木も枯れてしまう。
嫉妬、妬みは曇り。
太陽を覆い隠してしまう。
葉っぱから栄養を貰えなくなってしまう。
感情が天候を左右する。
君が育つ為の大事な環境なんだ。
○花
花は君の魅力。
内から溢れ出した魅力。
見る人を魅了させ、幸せな気持ちにさせてくれる。
人や虫や鳥、様々な生き物を惹きつける。
君の喜びや生命力だ。
○果実
果実は君の愛。歓喜。
周りの人や生き物の空腹を満たしてくれる。
実れば実る程沢山の愛を分け与えられる。
そして、果実の中の種が君の愛の結晶。
新たな命。
そして、また新たな木が産まれる。
木は林になり、林は森になる。
色んな木があって、同じ種類でも同じ木なんて一つもない。
君は一本の木なんだ。
周りの人も、環境も全て君なんだ。
世界の中心なんだ。
そして、誰かの葉っぱでもあるんだ。
豊かな森を作ろう。
虫や動物達が毎日の様に喜びに満ち溢れた世界を。
君はどんな木?
読んで頂きありがとうございます。
少しでもあなたの心に残ってくれると幸いです。
そして、この作品をあなたの言葉でアレンジして頂けたら嬉しいです。
私が蒔いた種で、どんな森になるのか見てみたいです。