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孤児院の青年(6)
よろしくお願いいたします。
クローは近くの酒場に入った。
中には冒険者や商人が密集して立ち飲みをしていた。
クローは自分の影を消すように呼吸を殺し、忍び足で密集地帯に入っていった。
二年間も酒場で盗みを働いて、常に気を付けていることがある。
相手は冒険者、情人以上に危機察知能力は絶対に必要なものであり、むしろ持っていて当たり前のものである。
気を付けずに働くと━━━
「てめぇ、何してんだゴラァ」
「ひ、ひぃぃぃ」
冒険者の男は、盗みを働いた男の胸蔵を掴み木の床に叩きつけた。
━━━冒険者に殺されかけるのだ。
しかしあんなものでは終わらない。ほかの冒険者も加わり、袋叩きにするのだ。
酷いときは五体満足で帰れるかどうか分からない。
まさに命がけの戦いである。
お読みいただきありがとうございました。
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