第7話:罹依の企み
「仙里?誰それ」
「覚えて‥ないのか?」
「知らないわよ。
それいつのこと?」
「あ、いや…
(やっぱり記憶はないか‥)」
「まあいいわ。
それより部活よ!」
「つくるにしたって何部だよ」
「このメンバーって
結構個性的だからね〜
文化部かしら?」
「それゃまあ、運動部は無理だしな、
だろ、如月?」
「あ、はい。運動はちょっと‥」
「なら、この僕が鍛えてあげるよ!
そして一緒にいる時間が長くなるたびに僕と渚ちゃんとの距‥グハ!‥‥ポキ」
「黙ってましょうね、古今君!」
「い、いまポキって、いまポキって!」
「結依の〈黙って〉って聞こえなかった?古今〜
で、何だっけ?」
「運動は無理だ」
「あ、そうそうそれそれ。文化部って今何があるっけ?」
「えーと…
手芸部・美術部・音楽部・吹奏楽部・演劇部・経理部…くらいだな。」
「休部状態の部は?」
「音楽部と演劇部だな」
「乗っ取りましょ!」
「乗っ取る?
どうやって?」
「そんなの簡単じゃない。」
そういうと罹依は教室の隅に俺たちを呼び、小さめの声で
高校生とは思えないことを言い放った。
「結依のコネがあるじゃない。運営委員長なんだから、生徒会長にいくらでも近づけれるでしょ。」
「コネ…(如月)」
「コネ…(古今)」
「コネ…(結依)」
「できるのか?早瀬」
「多分…」
「でも、今の生徒会長って誰だ?」
「ほんとにあんたはいままでを無為に過ごしてきたのね〜」
「生徒会長の名前は
〈河南 亜希〉
(かなん あき)
さんですよ」
「よ〜し。じゃあ会いに行ってみよう」
「え、私にか?」
「はい。会いたいっていう人がいまして」
「今は無理だ。何かと私も忙しいからな」
「何かありましたっけ?」
「この学校の部活費の割り当てだ。何かと時間がかかる。
もしここで、部活を作りたいんですけど、なんてきたら大変だ。
まあ、時間がないから要件だけでも聞こう。」
「あ、ええと…
また出直します!」
「‥そうか、すまないな」
「……ということだったので、話せませんでした。」
「は〜。」
「やっぱり無理だったか」
「しょうがないわ。
今日は金曜日だから月曜日までに案をだしときなさいよ
じゃあはい。解散!」
「由来君‥」
「何だ?」
「案が私1人では出ません。だから」
「だから?」
「よろしければ家に来ませんか?」
「如月ん家?」
「駄目ですか?」
「え、いや‥
いいのか?」
「もちろんです」