第5話:時を超えた夢
「そんな風に見えるなら助けろよ!」
「そんだけしゃべれる力があるなら、俺の心の声を覗くなよ」
「…ね。ちょっと聞いてる?」
「あ、そうだ。お前らのこと忘れてた。」
「いまから正直に答えなさいよ。
漉音、渚ちゃん、古今!」
「あ、僕これに関しては一切関係ないです。」
「黙りなさい、
付属品」(2人同時)
「ふ、付属品!
罹依、お前には今まで散々言われ続けても我慢してきたが、
今日こそ決着をつけてやる。
由来、いくぞ!」
「あ、俺はパス。」
「軽いわ!
何かもっとこう‥
俺も加勢するぞとか
古今をなめるなよ!とかないのかよ!」
「俺たちが知りたいのは、最近のお前たちの行動がおかしいからだ。」
「スルー=常識?」
「‥はぁ。結依、
もうしゃべっていい?あのこと。何も変わらないとは思うけど。」
「そうだね。少しは気がはれるかもしれないし」
「いいわ、話そうじゃないの」
「いいんですか?罹依ちゃんたちの秘密」
「うん…あたしたちの両親はね、中学生のころに離婚したのよ。
そのときにあたしと結依は離ればなれになっちゃって‥」
「離婚で復縁‥か」
「僕たちにどうにかできる問題じゃないね。そうくると」
「悩みを話してくれたのに私たち、何も…」
「あ、べ、別にいいのよ、そんなの」
「ただ、高校を卒業しちゃうと、多分もう会える機会がなくなるからどうしようってことです」
「時間は‥まだある。何かできるはずだ。」
「漉音…」
「そうですよ、時間はまだあります。できる限りのことはやりましょう」
「渚ちゃん…」
「僕も頑張るよ。悩んでいる人がいるのに黙って見ていられないよ」
「…2人とも
ありがとう
…もしさ、私たちみたいに悩みを抱えている人がいたらさ、
私たちにも手伝わせてよ。」
「はい。そうなったときは宜しくお願いします。」
「こちらこそ!」
「……僕は?」
3-Dクラスで
生徒会運営委員長をしている。
そして罹依の妹
〈早瀬 結依〉
(はやせ ゆい)
4月12日
「今日は転校生を紹介するぞ」
「先生、どんな子なんですか?」
「見てからのお楽しみだ。
入ってきなさい。」
ガラガラ‥
「仙里
です。宜しくお願いします」
「かわいい!」
「ちっちゃ!」
「先生、仙里って
名字ですか?それとも下の名前?」
「ん〜
それが仙里君はどっちか答えてくれなくてね〜」
「君?」
「しっかりしろよ〜
仙里は男だぞ」
「え!」