第3話:仲間をさがして
4月11日(…早く目が覚めてしまった。)早く目が覚めてしまったならしょうがないと思いつつ、ゆっくりご飯を食べ
ゆっくり支度をして
ゆったり家を出た。
「…」
最悪の朝だった。古今が向かいの壁にめり込む寸前だった
「あら、漉音。おはよー!」
「ああ、おはよう」「……どうかした?顔色悪いわよ」
「いや何でもない」
「んなわけないでしょうが!」
古今が意識を覚ました。(このまま眠ってれば良かったのに)
「由来‥今、このまま眠ってれば良かったのに、って思ったろ」
「いつもながらよくわかっているな」
「本当に思ってたのかよ!」
「まあまあ…とにかく、これは何の騒ぎだ?」
「古今が私に手をあげたからよ」
「古今が悪いな」
「ちょ、ちょっと待った。〈手をあげた〉っていうのは〈挨拶〉のことだ。罹依、紛らわしい言い方するなよ!」「してないわよ。あんたが勝手に勘違いしただけじゃない!」
「なんだと!それならこっち…」 〈中略〉
要するにこういうことだ。古今が罹依に挨拶したら、罹依がゴミと勘違いして古今を壁にめり込む寸前まで叩き込んだ…
「こういうことだろ」
「勘違い、って明らかおかしいでしょ!」
「勘違いの1つや2つ、おおめにみなさいよ。」
「そんなのできるわけ…あれ?1人?」罹依と呼ばれた強気の少女は
〈早瀬 罹依〉
(はやせ りい) で2年からのつき合いだ。運動神経は俺とほとんどいっしょで学力はちょっと上。 古今と共によく話したりする。
古今を置いてきぼりにして学校まで走った。昇降口にはあの如月がいた。
「どうしたんだ、こんなところで。」
「あ、由来君!おはようございます」
「お、おはよう。じゃなくてな」
「実は私ずっと学校を休んでいまして‥その‥自分のクラスがわからなくて‥」
「クラスがわからない!? 休みすぎだろ、それは」
「だから待ってたんです、由来君を」
「…」
「…あのさー、お話しのところ申し訳ないんだけどさー」
「あ、はい。何でしょうか?」
「あと1分よ‥」
「へ………急げ!」
「でも私のクラスはどこでしょうか?」「わからん!でも‥今は急げ!!」
「おお、由来。助かったよ。如月さんと一緒に来てくれて」如月は俺と一緒のクラスだった。ちなみに罹依は3-Eクラスだ。ここは隣の3-Dクラス。
「由来君…由来君!起きてください」「…あれ?どうしたんだ、早瀬」