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第21話:暗闇の中で

「そう‥残念。

面白いのに」

「…知美、

今から真面目な話だ」

「どうかした?」

「〈本当に〉

ただの研究経過で

考え事をしていただけで、

何か隠し事をしているわけじゃないんだな?」

「……漉君」

「‥何だ?」

「私のこと…心配?」

「ああ。

知美は俺たちの大切な

仲間だからな」

「……たい」

「たい?」

「重たいよ‥

その言葉…」

「…知美?」

「漉君、

今日は……帰って」

「どうしたんだ?

知美!」

「…1人にして」

そういうと知美は

俺を部屋から出し、

鍵を閉めた‥


(知美…

どうしちまったんだ)

「ギー、ガシャン」

(長居をしても無駄か…)

「は〜……」

「な〜に溜め息なんてついてんのよ!」

「知美ちゃん、

どうでしたか?」

「宮間さん、

いましたか?」

「罹依に如月に早瀬

まで何しに来たんだ?」

「こっちのセリフよ、

それは」

「お前ら、

学校はどうした」

「終わったわよ。

とっくに」

「どうやって

ここまで来たんだ?

まさか…古」

「今じゃないのよね〜」

罹依が俺の言葉を

引き継ぎながら

俺の前に出したのは

仙里だった。

「雲英もね、

古今とは方法が違う

みたいなんだけど。

空を見たら、

急に走り出しちゃって、

追いかけたらここに

来れたってわけ!

どう、凄いでしょ!」

「お姉ちゃんが

自慢げに言って

どうするの。」

「罹依の自慢じゃなくて、

仙里の自慢だろ?」

「別にいいじゃないの!

それくらい高く評価

してるってことよ。

ね、雲英」

「仙里でいいですって!」

「雲英って方が

呼びやすいのよ!

わかった、雲英?」

「まあ呼びたい方で

いいですけど‥」

「……」

「由来君!

どうしたんですか?」

「知美がな‥

今日は帰ってくれって」

「知美の分際で

そんな口たたくなんて、

いい度胸してんじゃないの!」

「悪役みたいな

セリフになってるよ、

お姉ちゃん」

「‥何だか心配ですね」

「(心配…か)」

脳裏にはまだ

あの言葉が残っていた

〈重たいよ‥

その言葉…〉

言葉……

大切な‥仲間

知美は俺たちの仲間

じゃないっていうのか…

「ん〜

まあいいわ。

明日出直しましょ」

「もしかしたら、

明日にはまた元に

戻っているかもしれないしね」

「(……俺には、

何も出来ないのか!)」

「由来君、

自分1人だけで

考えないでくださいね」

「如月…

わかってるよ、

そんなことは…」


知美の家にて

〈ギー、ガシャン〉

知美:漉君、ごめんね。

私のことは

漉君の記憶の中に‥

いつまでも‥。

このまま、

思い出さないでほしいの。

あの頃の‥

きれいだった日を……

私も‥

思い出さないから‥


漉君…

さようならなんて

言いたくないけど‥

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