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第20話:閉ざされた世界

「私、結構好きなんだけどな‥」

「吉○新喜劇とかがか?」

「それに限りはしないんだけどね」

「松○芸能か?」

「私、そういう、

どこ出身っていうのは別に興味ないの」

「ふ〜ん……

じゃなかった!

俺はそういうことを

話しに来たんじゃねえよ!」

「そういえばまだ

学校やってるよね」

「知美が学校休んだから心配して来たんだ!」

「それは嬉しいけど

‥‥放課後でもよかったんじゃないの?」

「……

(あれ?

放課後に行こうとしてたのに、

何で俺は早退したんだ?)」

「…漉君?」

「え、ああ。

そういえばそうだな。

何で早退したんだろ俺」

「…そんなに私のことが心配?」

「え、ああ。

‥もちろんだ!

だって仲間だろ、

俺たち!」

「……

立ち話もなんだから

上がっていいよ」

「ああ。

そうするよ」


「今日体調がよくなかったのか?」

「ううん」

「じゃあ学校に

行きたくなかったのか?」

「ううん」

「…じゃあ俺たちに

会いたくなかったのか?」

「ううん」

「じゃあ何なんだよ」

「考え事してたの」

「考え事?

どんな?」

「私が今研究していることの」

「研究って…

俺たちまだ高校生だぞ。

いくら知美でも」

「私の部屋に来る?」

「知美の‥部屋」

「見てみる?」

「まあ見てはみたい

けどな〜」

「こっちだよ」

知美はいつのまにか

居間の端まで移動しており、すでに階段をのぼりはじめてた


「これはっ…」

俺は言葉を失った。

そこには、とんでもない量の本が幾重にも重ねられ、

床のフローリング

(木の板で作られた床)

が見えなくなるほどに部屋は紙で溢れていた。

「ここが…

知美の部屋か?」

「うん、そうだよ」

「女子の部屋って

普通はこんなんじゃないと思ってたけどな」

「え、違うの?」

実際俺は如月の部屋

を見たことがある。

あれはまさに俺が想像していたものに

結構近かった。

だが、知美はいつも

図書室にいた。

友達ももしかしたら

俺たちの他に

いないかもしれない。

だとすると、

普通の家の部屋を

見たことがないのかもしれない。

「…漉君さっきから

大丈夫?」

「え、ああ、すまん」

「これが今私が研究していることの全てだよ」

「全然わかんねえよ、見たところで」

「ん〜

じゃあ、今から説明

していくね。

まず、このはじめの

部分にある、アモ」

「いや、いい!

大丈夫だ、説明しなくても!」

「そう‥残念。

面白いのに」


学校にて

罹依:おっはよ〜!

渚:罹依さん!

もう大丈夫何ですか?

結依:特別、外傷などはなかったんですけど‥

渚:ですけど‥?

結依:記憶が曖昧な部分があるみたいで…

生活に支障はないみたいだから良いんですけど‥

罹依:ところで由来は?

あたしがわざわざ遅刻してまで来たのに姿を現さないなんて、

良い度胸じゃないの

渚:あ、由来君なら

早退しましたよ

罹依:早退?

あいつが?何で?

渚:さあ。

私にも言ってくれなかったんです。

罹依:ん〜

どこに行ったのかしら…

あ、古今!

ちょっと来なさい!

古今:ん、何?

結依:由来君がどこに行ったのか知りませんか?

古今:ああ!

あいつなら知美ちゃん家に行ったよ

罹依:知美‥ちゃん?

結依:どうする、

お姉ちゃん?

罹依:結依!渚!

放課後、知美ん家に

行くわよ!

渚:え、でも家って

どこに?

罹依:あいつが行けたんだから行けるわよ!

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