第2話:開いた軌跡
「え、な、何で俺が」
「いいじゃないの、当事者なんだし。ね、如月さん?」
「え、あ、はい。え、ええと…よ、よろしくお願いします!」
「……わかりましたよ」
「うんうん。それでこそ。 あ、そうだ。さっき古今のやつが探してたぞ。どーせ屋上にいるだろうから、さっさと行ってきてやれ」
「え、あ、じゃあ先生、ちょっとそいつのこと頼む」
「早く戻ってこいよー」
〜屋上にて〜
「おい、古今!」
「! 由、由来〜」
「まだ帰ってなかったのかよ。(ちっ)」
「今、〈ちっ〉って思ったろ。」
「え、い、いや!ちっ、ちいさな体に苦労が見え隠れしているように見えて大変だな〜っとつい口に出してしまったんだ。」
「………」
(さすがにバレたか)
「‥由来」
「な、何だ!」
「お前‥」
(ゴクッ)
「そ、そんなに僕のことを気にかけてくれてたなんて〜(泣」
(今世紀最大の馬鹿だコイツ‥)
「っと。こんなのを言うために待ってたんじゃない。今日の朝に言いかけたことのことだよ」
「ん?ああ、あれか‥それは結局何だったんだ?」
「ふふ〜ん。知りたい?」
「いや、別に結構だ。じゃあな」
「いや、聞いといてスルーするつもりかよ!」
「俺は今急いでるんだ!手短にしろよ」
「まあまあ。今日な、夢をみたんだ」
「よし!わかったそれじゃあな」
「そこで僕はさ−」
「無視かよ、おい」
「見たんだよ。由来を」
「俺を?」
「うん。そしてその横にもうひとりいたんだよ」
「なんだそれ。怪談か?」
「いや、そんなんじゃなくてさ。なんかこう‥女の子?かな‥うん。いたんだよ」
「で?」
「終わり」
「終わり?」
「うん。」
「それだけか?」
「あ、確か日付が今日が4月10日だから‥12か13だったかな?」
「明後日か明明後日…」
俺は保健室に行く最中に考えていた。
古今は珍しく少し本気だった。
女の子…いや、ありえないだろ。
第一それは夢だ現実じゃないそうだ、きっと うん
「よ、よろしくお願いします‥」
「え、ああ‥」
「……」
「……」
「じ、自己紹介がまだでした。
〈如月 渚〉
(きさらぎ なぎさ)です。」
「あ、俺は由来漉音だ。」
「由来‥じ、じゃあ由来君…わ、私こっちの道なのでここまでで大丈夫です。」
「そうか‥じゃあ、それじゃあな」
「はい。ありがとうございました」
4月11日(…早く目が覚めてしまった。)