第19話:過去の秘密
「無視すんなよ!」
「…古今でも
知ってるかもしれないな」
「へ、何が?」
「知美がどこにいるか知ってるか?」
「知美ってあの?」
「そうだ。
図書室のな」
「さあ。
僕、ああいうの苦手
だから気にしないんだよ」
「知美がお前のこと、
カッコイいって言ってたぞ」
「え、マジ!?」
「ああ、マジだ!
ただ、素直になれなくてわざと興味がないように振る舞ってるんだ」
「そうか。
知美ちゃんもやっと
僕のカッコよさを
わかるようになってきたか」
「そうとわかったら
お前も知美のことを
気になってしょうがないだろ?」
「うん!
気になる気になる!」
「じゃあもう一度
聞くぞ。
知美はどこにいると思う?」
(女子のことになれば古今はきっと…)
「家かな〜
やっぱり」
「そうか…
(放課後家に行ってみるか)」
「如月!」
「由来君!
やっと戻ってきました」
「ちょっと用ができたから、先生に早退するって言っといてくれ」
「用って何ですか?」
「ちょっとな。
‥仙里!
如月のこと頼むぞ」
「え‥は、はい!
わかりました!」
「じゃあな!」
俺は授業が始まる前に急いで教室を
あとにした
「‥由来君……」
「………」
(誤算だった)
俺は道を歩きながら
そう思った。
なぜなら!
……俺は知美ん家を
知らなかった。
(どうしょうか…)
1人では到底
行き着けるとは思えなかった。
「は〜…」
溜め息をつきながら
途方もなく歩いていた、そのとき。
「…あれ?」
俺はどこかの民家の庭にいた。
「………
(これって、
不法侵入じゃないよな)」
だけど見覚えがある。
小さな町だから
よく見かけるはずだからか?
「ひとまず、
出ないとまずいよな」
俺は家の門を出ると
同時に表札を見た。
「‥み、や、ま」
(……………)
「ここか!!」
急いでもう一度中に入る。
「…の前にインターホン押さないとな」
少し深呼吸で動揺を
しずめる。
「ふ〜‥‥
ピーンポーン!」
「…」
誰もでない
「ピーンポーン!
知美!
俺だ、由来だ!」
「…漉君?」
「知美か!
ドア開けてくれないか?」
「…ここじゃだめ?」
「駄目だ。
会って話したいんだ」
「…うん。
……ガチャ…開けたよ」
そういい終えると
玄関のドアが微かに
開いていた
「おじゃましまーす」
「邪魔するんやったら帰って〜」
「あいよ…
って何でだよ!」
「私、結構好きなんだけどな‥」
遥か先の道で
〜LIMITED STORY〜
(仮未定タイトル)
制作始動
由来:…なんか
渚:…はい
由来&渚:
中途半端な時期に…