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第13話:遅れた天才

「由来君、罹依さん

正式な手紙がきました!」

「きたか。

‥罹依は演劇部で良かったのか?」

「あたしが決めることじゃないわよ。

部長は渚なんだから」

「え、私ですか!」

「あんたが勇気をだして演劇部を使いたいって言ったからよ。あたしはどっちでもよかったんだから。

熱意は負けたわ」

「…でも手紙に1つ問題がありまして」

「問題?」

「はい。人数が足りないんです」

「部員か‥」

「この時期に新しく部活に入る人って

まずいないからね〜」

「どうしましょうか

…古今さんはどうですか?」

「あいつに何ができんのよ!」

「無理だろな。

でも人数合わせにはちょうどいいか」

「そうね。仮部員ってところね」

「でもまだ足りないです」

「由来、古今と一緒に暇なやつ探してきなさい」

「誰が暇なんて分かんねえよ」

「古今の五感を

フル活用すればいいじゃない!」

「五感?

ああ、そういうことか!」

「古今さんが来ました!」

「おい、古今!

お前演劇部に入部したから」

「へ、演劇部?」

「だから今から部員探しに行くぞ!」

「え、あ、ちょっとー!」

「それじゃあ

あたしは結依のところに行ってくるけど

あんたはどうする?」

「ついて行っても

いいですか?」

「構わないわよ」


「なあ〜由来〜」

「しゃべってる暇があったら探せ」

「話をすぐに切るなよ!」

「どうせ大したことじゃないんだろ」

「何で部活が好きじゃないのに、こんなことすんの?」

「それは…

(あれ、そういえば何でこんなことを俺がしてんだ?)」

「まあいいけどさ。

そしたら図書室行かない?」

「お前本なんて読まないだろ」

「うん、そうなんだけどさ。

行ったら何かに出会えそうな気がするんだ」

(古今の五感は

運と勘で構成されているに等しい、

と俺と罹依は考えている)

「じゃあ行ってみるか」


「頭が良いやつは

暇に本を読んでいるんだろな」

「由来、あの娘なんてどう?」

「ん?

あれは確か…

宮間か」

「ちょっと誘ってくるね!」

「あ、待てそいつは」

俺の静止も聞かず

古今は宮間に話しかけに行ってしまった

「ねえねえ、君!」

「……」

「部活に入る気ない?」

「……」

「演劇部なんだけどさ」

「……」

「‥聞いてる?」

「え?」

「ちゃんと聞いてたんだね」

「部活?」

「そうそう」

「演劇部?」

「うん」

「聞いてるよ」

「‥え、何が?」

「うん、聞いてる」

「話し噛み合ってる?」

由来:さっきから

何やってんだ?

古今: 話しかけてるんだよ

由来:そいつの名前は

〈宮間 知美〉

(みやま ともみ)

だぞ、

わかってんのか?

古今:ううん、

知らない

由来:‥まあ頑張れよ

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