第10話:見えない心
「何か良い案でましたか?」
「俺と古今で脅すっていうのは‥」
「絶対駄目です!」
「ん〜
罹依が諦めてくれればそれで一件落着なんだけどな〜」
「…でも私、部活に興味がわいてきました!
そういえば由来君は部活してないんですか?」
「…1年の頃はしてた」
「何部だったんですか?」
「…この話はさ、
今はおいとこうぜ」
「古今さんも何か部活をやってるんですか?」
「? 如月?
誰に話しかけ‥」
「…よぉ」
「古今!お前いつからここに」
「〈…定食屋か?〉から…」
「でも一度も俺たちの話に‥」
「でも…いたんだよ」
「…!」
「…」
「き、如月は気づいてたのか?」
「い、いえ。私も」
「僕はね‥うさぎのように、かわいがってくれないと死んじゃうんだよ。」
「そうか‥古今、しばらくだったな」
「古今さんのことは‥一生忘れないです。」
「ちょ、ちょっと〜
ほんとに死ぬわけじゃないよ!」
「古今…古今!!(笑)」
「なんだよ、その(笑)って!
いいかげん気付けよ!
というか気づいてるだろ!」
「古今さん…
ほんとうに‥
ほんとうに……」
「あれ、冗談きつくない?ねぇ…
まさか、僕ってほんとに‥」
ドンドンドン!
階段を誰かがあがってくる音が聞こえる
そして部屋のドアが開いた
「さっきからギャーギャーうるせいぞ!」
「あ‥ああ。
お、おじさん。僕の姿が見えますか?」
「あ?
何言ってんだ?
ていうかお前誰だ」
「見える?見えますか?」
「あ?
当たり前だろ」
「由来、渚ちゃん、
僕のこと見える?」
「ああ。見えるぜ
顔と胴体は」
「‥足は?」
「‥見えねえな」
「やっぱり僕死んでるんだ〜!」
(馬鹿だ、やっぱり)
「ボソッ…
そろそろ言ってあげたほうがいいんじゃないですか?」
「そうだな、これが古今の限界みたいだしな」
階段の下の方から声が聞こえてくる
「みなさーん
そろそろ11時をまわってしまいますよー」
「あ、今帰りますー」
「泊まっていっても構いませんよー」
「泊まる? ……
でも、今日は帰りますー」
「ではお気をつけてー」
「そうだ、如月。
これメルアドだ」
「あ、じゃあ私のも」
「何かアイデアが浮かんだり、
俺が必要なときはメール送ってくれ」
「わかりました。
また明日」
「明後日だろ。」
月曜日
「何か案はでたわよね〜」
「名案がな、罹依
出たぞ」
「え、ほんとに?」
「ああ。今から説明するぞ、覚えろよ」
如月:この作戦の名前は何ですか?
由来:河南亜希陥落作戦