表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

第七話 女の子になる前にママになりつつある今日この頃 【挿絵付き】

投稿しようとしたら感想が来た。べ、別に感想もらったのが嬉しくて投稿したわけじゃないんだからね。いやまじで。


あ、挿絵付けました。

家族との日常


【長女ムツキはキサラギの本を読む】


なんとなく、呼ばれている気がした。


頭をつーんと引っ張られるような、どこか不思議な感覚。ああ、行かないと。そう感じた。


僕はその感覚に引っ張られるままに足を運ぶと、小さな部屋についた。ここは…兄弟の長女、ムツキがよく使っている部屋だ。彼女はこの部屋にいることが多い。電気は点いているし、部屋の中からムツキの気配を感じる。


そろそろ夜も遅い。早めに寝るように、声を掛けようか。そう決めて部屋の扉を開く。


「……キサラギ?」


入ると、ソファーに座ったムツキが問いかけてきた。彼女はこちらに背を向けるように座っており、どうやら本を読んでいるようだった。


「うん」


「……」


応えると、ムツキは本を閉じてテーブルの上に置いた。


〈シモン・ラインハルトの一生〉


…自分の過去を、知っている人に知られるのは、なんだか少し、恥ずかしい。


戦友たちが偉大な人物であったと喧伝されるのは良い。でも、どうして僕までもが持て囃されてしまったのか。


…まあ、それはひとまずおいておくとして、今は目の前のムツキに集中しよう。どうにも彼女の様子がいつもよりおかしい。何か、この本を読んで思うところがあったのだろうか。


「……職員の人は、いつも言っている」


ムツキはこちらに背を向けたまま語り出した。


「よいことをしなさいって。そうすればきっといいことがあるから」


…なるほど。


「うん、言っているね」


「…でも、そんなのうそ」


ムツキは本へ視線を向ける。


「この人はとてもよいことをしていた。なのに、とても大切なお友達をなくして、死んでしまった」


……。


まあ、善いことをしてきたかどうかは、見方によっては色々と変わるから一概にそれが否定されるものかというと、そうでもないと思うが…ムツキの中では、そうなのだろう。なら、善いとはなんぞや?といったようなことは話さない方がいいだろう。


「ムツキはそれについて、どう思ったの?」


「……」


すぐには、話してくれなかった。


何も言わないで、ムツキに近づく。


「……」


頭を撫でた。


「…キサラギは、いつも相手のことを考えろって、言う」


「そうだね」


善いことをすれば、良いことがある。あの戦争においては、そんなのは嘘だった。子どもに悪いことをしてはいけないと教える時、神様は見ている、死んだら地獄行きなど、そういった宗教的な価値観をもって教えることが多い。でも、僕にはそういったものはできない。死後の世界に天国も地獄もないことを知ってしまったし、神様は死んでも見ることはできなかった。


僕が兄弟相手に道徳を教える時、少し頭を悩ませた。悪を成すのは社会的秩序に反する。一人が好き勝手にやると、みんなが迷惑になる。そういった視点でものを語っても、子どもは理解してくれない。


考えた末に、僕は共感を大事にすることにした。暴力を振るわれたら痛い。我が儘を言われると迷惑だ。自分がそう感じるように、相手もそう感じているのだと、みんなに伝えた。…その過程で暴力を振るったりしたのは、悪いことをしたと反省している。


経験しないものは分からない。喧嘩に強く、一方的に暴力を振るうことができる能力があった次男は、傷つけられる痛みや苦しみを理解していなかった。僕は本気で怒って、次男を叩いた。


暴力を振るわれる痛みを教えるやり方としては、その手法は確かに手っ取り早かったが、同時に短絡的なやり方だったと反省している。痛みに泣く次男を見て、そのやり方が合理的ではあれど、間違っていたのだと強く思った。


…この反省を活かして、次女の暴力癖に対して僕自身が少々体を張ったが、状況が想定外に近い中でそれを行ったので色々とひどいことになり、次女は暴力に対してトラウマを持ってしまった。罪悪感で死にたくなりつつも、改めて教育というものの難しさを実感した一件だった。


少し思考が脱線した、ムツキの話に集中しよう。


「キサラギは、たぶん知ってたんだなって、感じた」


ムツキの話す言葉は、ひどく震えていた。


…ムツキは背伸びをしたがる。自分が兄弟の中で一番年上だと自覚しているからだ。


だから、この震えた声はきっと、自分が本当に感じたことを無理矢理隠しているがためなのだと思う。本当はもっと悲しいことを感じて、今にも泣き出しそうなのだろう。


「…そっか」


僕はムツキの頭を、より優しく撫でた。


「……っ」


手を強く握られる。


直後、グッと引っ張られて、僕はムツキに抱きしめられた。


「…ムツキ?」



「うそ」



涙が落ちる。


「本当は、この本の人が、キサラギみたいだって…思った」


苦しいと感じるほど、強く抱きしめるこの力は、ムツキの内心を表わしていた。


「僕は、死なないよ?」

「知ってる」


食い気味の言葉。


「死なないもん」


根拠があるわけじゃない。たぶん、これは願望だ。


「…死なないで」


……。


「うん」


ムツキから感じる体温が、熱い。


「そばにいて」


「うん」


「ずっと」


「みんなが大人になるまでは、いるよ」


「ずっと」


「大きくなっても、まだそう思ってたら、そうするよ」


「ずっと」


「……」


「ずっと」


「……うん」





「キサラギは、わたしが幸せにするから……」




……ムツキは、寝てしまったようだ。


ムツキの体が、熱い。うん、これはやっぱり。


「風邪かな」


多分、ムツキは熱を出している。触ってみた感じ、おそらく微熱だけど、一応明日お医者さんに診てもらった方がいいだろう。


…英霊同調ができるなら、ムツキの体内の菌だけを消し飛ばすといったこともおそらくできるが、残念ながら無許可での英霊同調は法律で禁止されている。所持を義務づけられている英霊同調の使用を監督する指輪もあるので、誤魔化すことはできない。


僕はひとまずコアラのようにしがみついてくるムツキを抱きかかえて、部屋を出る。


「……」


風邪の時は思考力が鈍ったり、少し変な言動をしたりすることがある。そして、すごく悲観的になることも。僕も前世の小さい時に似たようなことがあった。風邪で寝込み、寝過ぎて少し退屈してきた時に読んだ物語…それが悲劇に終わる物語で、ものすごく泣いて精神が不安定になった記憶がある。


…ムツキは割と素直じゃない一面があるので、あそこまで気持ちを吐露してくれるのは珍しいことだろう。


「……」


少し、頬を寄せる。



「…ありがとう、姉さん」
















【次男ヤヨイと勘違いするキサラギ】


いつものように暴れる次男、ヤヨイを抑えて一時間ほど。彼はようやく落ち着き始めた。最近ようやく理解できたが、この子は構って欲しくて暴れているふしがある。


ヤヨイは暴れる癖がある割に、兄弟の中で一番優しく、人の心を思いやる気持ちがあると思う。前まではそれでもついカッとなってしまって、自分を抑えられなくなっていたのかと思っていたが、集中して内心を察することができるようになった最近、その本質をようやく理解できた。


ヤヨイに少し寂しい思いをさせてしまったのだろうか。今度からは、暴れていない時に褒めて、たくさんよしよししよう。暴れなくても傍にいると分かってくれたのなら、もしかしたらこの暴れ癖も治るかもしれない。


「なぁ、クソ(にい)


「ん?」


珍しく、ヤヨイがしおらしい態度で呼びかけてきた。


「クソ兄は、いずれ女子になっちまうんだよな?」



「そうだね」


「……」


黙り込むヤヨイ。どうしたのだろうか。


「…クソ兄は、女子になったら男子を好きになるのか?」


……割と、難しい質問をするなぁ。親愛という意味なら性別関係なくどちらも好きと言えるけど、ヤヨイが聞いているのはおそらく恋愛的な好きのことだろうし…。


「うーん、時間が経ったら気持ちがどう変わるかは分からないけど、恋をするのは…たぶん変わらず女の子じゃないかな」


でもまあ、恋愛感情を抱いたとして、特にどうこうしようという気はない。


「…そうか」


うーん、いまいちヤヨイが何を考えているか分からない。深刻そうな悩みを抱えているなら、集中して内心を探ることも考えるけど、恋愛関係の感情をあまり不躾に探るのはよくないことだから、ここは様子見だろうか?


「何か困っているの?」


とりあえず聞いてみよう。


「…別に。困ってはいねぇ」


その言葉は、集中していなくても嘘ではないと分かった。ヤヨイは基本的に素直だから、こういったことは分かりやすい。それにしても…ふむ。困ってはいないのか。


「…クソ兄は、最近女みたいになった」


「まあ、容姿は女の子みたいになっちゃったね」


自己の容姿がどうこうっていうのは、転生した時に整理はついていた。僕のアイデンティティは容姿ではなく、この心に大きな比重が置かれているのだと分かっているから、あまり衝撃はなかった。まあ、女の子になるのはあまり好ましくないのだけど、どうしようもないことなのだという整理はついた。


「ちがう。なんていうか…父親から、母親みたいになった」



……。



「え?」


「前は、もっときびしい感じだった。今は…なんか、甘い」


「―――」


思わず、絶句する。確かに、言われてみるとそうだった。


前までは叱っても、みんなが反省してくれるまで厳しい態度を維持していた。泣いていようと、その子のためになるようにという、合理的な考えをもって自分の振る舞いを考えていた。


最近は泣かれると、つらい。胸が締め付けられるような、泣かれると、どうにもすぐに泣き止んで欲しくなる。


ああ、内心を改めて見つめ直すと、価値観が変わっていることに気づく。泣いていようと、自分の心を制御する必要がある。泣くほどの情動があるからこそ、人の痛みや悲しみに気づくことができる。前はそう思っていた。でも、最近は泣いていては冷静に物事を考えられないと、自分の内心を誤魔化すような建前をもって、僕はみんなを甘やかしていた。


「クソ兄は分かってなかったのか?」


「……うん、自覚してなかったかな」


健全な精神は健全な肉体に宿る。この言葉が暗示するように、精神は肉体に大きな影響を受ける。女性的な肉体の影響のせいか、知らず知らずの内に思考も若干女性的になっていたのかもしれない。


「じゃあ、いつかクソ兄も男が好きになるんじゃないか?知らないうちに」


えぇ…。嫌な想像に、思わず顔が引きつる。同性愛者を特に忌避する考えはないが、あくまで人それぞれ、そういう人もいるのだろうなと考えるのであって、僕自身が男性を好きになるというわけではない。正直、それは少し気持ちが悪かった。


「いやか?」


ヤヨイがじっと見つめてきた。


「…うん、嫌かな」


そう答えると、ヤヨイは考え込むように地面を見た。


「……オレも、もしかしたら女になるかもしれないなら」


その呟きを聞いて、僕はハッとした気持ちになった。僕らの体にある特殊な細胞がもたらす効果は、みんなが詳しく理解できているかは別にして、簡単な説明は既にされている。故に、薄らと性別が変わるかもしれない不安をヤヨイは感じているのかもしれない。今まで意図がよく分からなかった質問の根本にあったものが、ようやく理解できた。


「そっか、ごめんね。ヤヨイも不安だったんだね」


「?」


ヤヨイは不思議そうな顔をした。…あれ?


「ヤヨイは、女の子になるかもしれないことは…怖い?」


なんだか上手く噛み合っていないような気がするから、ひとまず聞いてみる。


「こわくはねぇよ。それで願いがかなうなら、受け入れる」


「そっか。ヤヨイは強い子だね」


なでなで。よしよし。って、ん?


「ヤヨイには叶えたいお願いがあるの?」


尋ねると、ヤヨイからとても熱い想いを感じた。集中しなくても伝わる、その熱量。その根本を僕は理解することはできなかったが、それでもとても強い想いがそこにあるのだということははっきりと分かった。


「ああ。守りたい人がいる」


おおぉ。思わず、嬉しくなってしまう。まだまだ子どもだと思っていたヤヨイが、こんなに立派になるなんて。感動で少し、涙腺が緩みそうだ。


体に特殊な細胞を宿した僕たち兄弟は、将来的に英霊の力を素の状態でも発揮できるようになる。つまり普通の英霊術士より継戦能力が伸びるということだが、同時に己の肉体が変貌するリスクがある。


ヤヨイはそういった変貌よりも、守るための力が大切と思えるほど、大切な人ができた。その美しい決意を抱けるようになった成長が、どうしようもなく嬉しい。思えばヤヨイの成長を見守ってきてそろそろ7年になる。初めて小学校に彼が行った時、教室で暴れないかとハラハラしていたのが懐かしい。


「そっかぁ…ヤヨイも、大きくなったんだね」


で、どんなの子なの?気になって、思わずヤヨイに問い詰めるように近寄ってしまう。


「ひ、ひみつっ!」


ヤヨイは赤くなって、僕の手を払った。うーん、やはりこういったことは恥ずかしくて教えてくれないのだろうか。少し残念だが、諦めよう。


「それにしても…あのヤヨイが…」


実に感慨深い…。


「……」


内心うっきうっきな僕を、ヤヨイはジトーっと見つめていた。











後日、今日は暴れなかったね。えらいぞ-!や、二日も暴れていない。成長したんだね、ヤヨイ。と褒めて伸ばす方針でヤヨイと接してみたら、彼が暴れることはなくなった。


僕はこのヤヨイの成長と、それを成した褒めて伸ばす(思う存分甘やかす)という方針に味を占め、その結果、後に兄弟などの歪んだ成長を見て、後悔することになる。

















【次女ウヅキからキサラギへの贖罪(しょくざい)


月々(つきづき)の次女、ウヅキはあまり人と話さない。言語に支障かあるとか、他人に興味がないといったようなものではなく、おそらく彼女は極度の面倒くさがりであるからだ。


ぐでーっと、畳の上で寝そべっているウヅキを見ると、ことさらにそう思う。


「ウヅキー、みんなで鬼ごっこをしよう?」


遊びに誘うと、ウヅキは嫌々と首を振った。


「ウヅキー、たまには体を動かさないと、運動が上手にできなくなるよ?」


ウヅキはそろそろ6歳になるが、この時期は神経細胞の発達が非常に盛んなので、体を動かすと運動神経がよく発達する。この子が将来どのように成長するかはよく分からないが、運動ができて困ることはないと思うので、もう少し頑張って欲しいのだが…。


「……」


ウヅキは再び首を振った。


「うーん…」


どうしようか。


「んん?」


気づいたら、ウヅキを揺すっていた手を取られ、ウヅキに指をくわえられていた。


むにむにと、ウヅキの舌の感触を感じる。


「ウヅキ、僕の指なんて美味しくないでしょ?離してちょうだい」


えぇーと、ウヅキから不満そうな視線を向けられる。小さい子はよく指しゃぶりなどをしていることがある。ウヅキのこれも、そういったことの一種なのだと思うけど、色々と動きづらいし、癖になられても困るので止めて欲しいのだが…。


「……おいふぃい、よ?」


…。うーん。そういう問題じゃないのだが。


ヌルリと、絡みつくような視線を首元に感じた。


「ウヅキ?」


肩に手を掛けられ、首元に吸い付かれる。


「……っ」


ビクンと、背筋が痙攣(けいれん)するようなくすぐったさ。


「いたく、ない?」


「痛くは、ないけど…くすぐったいよ」


止めて。そう言っても、ウヅキは舐めるのを止めない。すごくくすぐったい。ゾクゾクするような変な感覚が首筋から全身に流れるように走り、力が抜ける。


抗うことはできる。でも、ウヅキの我が儘にはできるだけ応えてあげたい。ウヅキがこういう行動に出るのは、たぶん僕のせいでもあると思うから。


「仕方ないなぁ…」


挿絵(By みてみん)


のしかかるように首元を舐めていたウヅキを、抱きしめる。ただウヅキの好き勝手にやらせていては、彼女の中には何も残らないと思う。だけどこうやって抱きしめて撫でてあげれば、ウヅキに肯定感や安心感などを与えられる。


「もう、大丈夫だよ、ウヅキ」


数ヶ月前に、事件があった。


当時のウヅキは、孤児院の人に暴力を振るうことに躊躇いがなかった。僕は兄弟のみんなに、人の気持ちを考えるようにと教育してきた。その結果、孤児院に来る前、兄弟同士では、あまり暴力を振るうということはなく、みんな(おおむ)ね仲良く過ごしていた。


しかし孤児院に来てから、僕は己の教育の至らなさを痛感した。兄弟は特殊な生い立ちもあってか、様々な能力が秀でている。故に己と孤児院の人たちを比較した結果、孤児院の人たちを共感するに値しない、己の同族と見なさなかったのだ。


人の気持ちを考える。兄弟たちは孤児院の人を、同じ人だとは思わなかった。


あの時は、すごく大変だったなぁ…。


育児というものの大変さを、散々に思い知った。


そして事件は起こった。ウヅキは衝動的に暴力を振るおうとして、僕が咄嗟(とっさ)に止めに入った。


全ては間が悪かった。ウヅキ的には軽く押す程度のものだったが、僕が変に割って入ったせいでウヅキはムキになり、強い力で僕を押した。そこが、階段の近くというのが色々とまずかった。そして僕も、彼女が僕を傷つけることで人を傷つけることの苦しみを知って欲しいと思っていたのもいけなかった。


気づけば僕は階段から転げ落ちていて、今まで見たことがないひどく絶望したような顔をしたウヅキがいて、我を失ってウヅキに向かって殴りかかろうとして、数人がかりで職員さんに押さえ込まれているヤヨイがいた。


あの時は、今生で一番焦った。その後錯乱するウヅキを慰めて、激昂(げきこう)するヤヨイを何とかなだめて、終わったら病院に行った。打撲が数カ所という後遺症なしの軽傷で済んだのは幸いなことだっただろうか。それよりもウヅキのトラウマが一番の重傷であった。ウヅキはあれ以来、極端に暴力を振るうことに脅えるようになった。この世界において時に暴力は自衛のために必要なことなので、早めに何とかしなければいけないが、お医者さんに通院している現在でも、それが治る兆候はない。


そしてあの時から、ウヅキの僕に対するリアクションが色々とおかしい。たぶん彼女なりに僕を気遣って色々としているのだろうけど、どうにも空回りしている。


この執拗に肌を舐めてくるのも、もしかしたら唾液にいくらかの殺菌作用があるといった内容を色々と曲解した結果、舐めれば治る、みたいなロジックがウヅキの中にあるのかもしれない。もう治ってるんだけどなぁ…。


「…ごめんなさい…ごめん、なさい…」


頭を撫でて、強く抱きしめる。


「良いんだよ。もう大丈夫だから」



この後、シャツの中に潜り込んでまで舐め続けたウヅキに内心で悲鳴をあげながら、僕はウヅキをなで続けた。


それから、少しばかりウヅキの突飛な行動は減り、トラウマに改善の兆候が見られてきたという報告があった。僕はその報告を聞いた時に、周りに子どもが居なかったこともあり、思わず安堵の涙を流してしまった。


サツキ「でばんは!?」

(あなたは今まで結構な頻度で登場してきたので)ないです。

ミナヅキ「でばんはー?」

(あなたはまだキャラが固まってない上に、自我も曖昧な4歳設定なのでまだ出番は)ないです。

ぶっちゃけると書くのが面倒だったともいう。


今回書いてて思ったこと。

①くわえるって、漢字で書くと、咥える、だけど、この咥えるって漢字を見るだけでものすごく卑猥に思えるので、思わず本編ではひらがな表記にしてしまった。

②ヤヨイ、特に意図はないけど、偶然ヤヨイがヤオイになってしまった。彼らがTSして本格的にラブコメを始めたら、精神的BLタグを入れなければ…?いや、薔薇で作った百合の造花タグか?個人的には薔薇色のキマシタワーの方がパワーワード感があって好き。

③思考が徐々に母性化していく主人公。個人的には雌化=男に惹かれる。というのが常識だっただけに、これを思いついた時に衝撃が走り抜けた。ママンと化した主人公…イイッ!とりあえず兄弟全員マザコンにしてやる。存分におぎゃれ。

④主人公は主に共感的な能力で相手の内心を探ることができる。そして、恋愛感情は主人公の中で枯れている感情なので、共感できない。故に、主人公は超感覚をもってヤヨイの恋愛感情は察することができないのだ。という、主人公がヤヨイの内心を察したら色々とやばいことになるが故のこじつけ設定。


簡単な兄弟紹介

ムツキ:背伸びしたがりのお姉さん。しかしキサラギに対してはお姉さんであることは割と諦めてる。

キサラギ:主人公。

ヤオイ:角度を変えてみると、ファザコンかつブラコンかつゲイであり、マザコンかつシスコンかつレズになる宿命をもつやべぇやつ。この小説にいつか薔薇色のキマシタワーを建てる予定。

ウヅキ:無口無表情面倒くさがり屋の不思議ちゃん。主人公をぺろぺろして何かに目覚めそうになっている。

サツキ:一番伏線が多い子。

ミナヅキ:まだ幼い。どういうキャラにするかは未定。


次回はそろそろ主人公に本格的に戦闘をさせたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ