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第8話 クリスと国宝級の剣。

お読み頂き有り難う御座います。


第8話です。

朝食の一時。


清々しい朝に、1日のスタートを飾る団欒の場・・・なのだが・・・。


アレッタからの視線が熱い・・・。


目が合うと途端に目線を反らして真っ赤な顔をする。


シルヴィはただ黙々と朝食を食べている。


メルティはいつも通りニコニコしながら食べている。


アレッタにどう説明すれば良いものか・・・。


メルティ:『アレッタさん、さっきの事なんですけど・・・。』


おいメルティ!!何言うつもりだ!?


メルティ:『実は私・・・夜中にトイレに行くと、寝ぼけてセイト様のベッドに潜り込んじゃう事が多いんです。』


・・・いやぁ・・・無理があるっしょ・・・。


アレッタ:『・・・それは・・・。』


やっぱ無理だよなぁ・・・。


アレッタ:『気を付けた方が良いわよ?セイトだって一応女性に興味を持つ年頃なんだし、メルティだってその気にならないとも限らないじゃない?』


お母さんかっ!!


シルヴィ:『メルティさん!それってわざと潜り込んでません?』


この子は・・・。


メルティ:『まぁ無意識にセイト様の温もりを求めてるのは否定出来ませんね♪』


アレッタ:『良いなぁ・・・私もそういう女の子っぽい事してみたいけど、こんな筋肉質な体じゃ喜んでくれる男は居ないわよねぇ・・・。』


そこ!?


シルヴィ:『それを言ったら私だって同じですよぉ。セイトさんはどうです?私達みたいな女って?』


セイト:『答えにくいわ!!でも正直な話、二人とも美人だしスタイルも良いから、男としてはこうして一緒に居られるのは光栄だと思ってるよ?』


セイトの言葉に二人とも赤面して固まってしまった。


アレッタ:『じゃ、じゃあセイトは私に抱き付かれたりしても嬉しい!?』


セイト:『ん~まぁ恥ずかしいけど嬉しいかな・・・。』


シルヴィ:『私でもですか!?』


セイト:『そ、そりゃもちろん。』


少しの沈黙が続き、突然メルティが口を開いた。


メルティ:『なら決まりですね!皆でセイト様に捧げましょう!』


セイト:『おいメルティさんや!?突然何言い出すんだ!?そんなのハーレム同然じゃないか!?』


メルティ:『え?だってみんなセイト様の事好きなんですよねぇ?』


セイト:『そんなの分かんないだろ!?シルヴィなんか昨日会ったばかりだぞ!?』


シルヴィ:『私は・・・お慕いしています・・・よ?』


アレッタ:『私だって受け入れてくれるならセイトが良いわよ!』


おかしい・・・。


何なんだよこの変なハーレムルートまっしぐらなギャルゲーは・・・。


まさかこれもゼロが仕組んだんじゃ無いだろうなぁ!?


朝食を済ませた後、ピンク色のムードを払拭すべく依頼の完了の報告をしにタウンゼント子爵の屋敷を訪問した。


ランド:『やぁ良く来たね。無事に帰って来れた様で何よりだ。』


セイト:『有り難う御座います。コンスタン子爵も宜しく言っておられました。』


ランド:『そうか、それで盗賊の方はどうだったね?』


セイト:『はい、それなんですが、セント・レイチェルより北に行った森に拠点を移したらしいとの情報をコンスタン子爵から得まして、直ぐにセント・レイチェルの兵士局と冒険者ギルドへ知らせました。』


ランド:『セント・レイチェルの北って言うと・・・あぁ、あの森か。確かにあの森なら身を隠すのには良いかも知れんな・・・。』


セイト:『一部の噂では、複数の盗賊団が手を組んでいるという話もあります。討伐目的の冒険者がセント・レイチェルに集まった事で、より安全に襲撃する為に拠点を変えたのかも知れませんね。』


ランド:『妙だな・・・。そんなに多くの盗賊団が手を組むとは・・・。何か大きな襲撃があるのかも知れんがまぁ良い、ところで随分と人数が増えている様だね?』


セイト:『まぁ道中色々とありまして・・・。』


ランド:『ほぅ・・・なかなか君も隅に置けんなぁ?ついでにうちの娘の面倒も見てくれんかね?』


セイト:『いや、その、慎んで御断りをさせて頂きます。』


ランド:『ハッハッハッ、そうか、まぁ今回は諦めるとしよう。』


タウンゼント子爵の屋敷を後にして冒険者ギルドに行くと、何やら窓口で揉めていた。


女の子:『だからぁ!募集してるパーティーは一つぐらいあるんでしょう?』


受付嬢:『しかし貴女をパーティーに入れるとなると、色々と考慮すべき事がありまして・・・。』


女の子:『何でよぉ!私だって駆け出しでも冒険者なのよ!』


受付嬢:『いや、しかしですねぇ・・・』


何だぁ!?


呆然と眺めていると、こちらの視線に気付いたのか、女の子がセイト達に歩み寄って来た。


女の子:『ねぇ貴方達!ギルド所属の冒険者よね?』


セイト:『ま、まぁ・・・。』


女の子:『私も貴方達のパーティーに入れて貰えないかしら?私はクリスティーナ・タウンゼント。これでもロランド魔法学院の卒業生よ。クリスって呼んで!』


タウンゼント?ん?どっかで・・・。って、えぇぇ!?


メルティ:『えぇ!?タウンゼント子爵のお嬢様ですかぁ!?』


クリス:『あり?なんでお父様の事知ってるの?』


セイト:『自己紹介が遅れましたね。僕はセイト。こっちはメルティにアレッタとシルヴィ。実は先日タウンゼント子爵からの依頼を受けて達成したばかりなんですよ。』


クリス:『じゃあセント・レイチェルに行った冒険者って貴方達なの!?なら話は早いわ!どうかしら?これでも魔法にはそれなりに自信はあるわよ?』


アレッタ:『ちょっと待ってよ。何で子爵様の令嬢である貴女が冒険者を?』


クリス:『お父様に無理を言ってやらせて貰ってるのよ。もう成人だし、自分の好きに生きる事にしたの。』


セイト:『にしても、子爵家のご令嬢に万が一の事が有れば大変ですよ。』


クリス:『貴方もその辺の大人と同じ事を言うのね?家の事なら心配は要らないわ。後継ぎはお兄様が居るし、子爵と言っても支えてる男爵家もほとんど居ない田舎貴族だもの。』


シルヴィ:『でも何で冒険者なんですか?私が言うのもなんですけど、冒険者なんて危険な汚れ仕事がほとんどですよ?』


クリス:『だって・・・だってカッコイイじゃない!』


≪・・・は?≫


クリス:『だって冒険者よ!冒険するのよ!魔物と戦ったり宝探ししたり、荒くれ者の盗賊を倒したりするのよ!ロマンいっぱいじゃない!』


セイト:『あの・・・クリスさん、失礼ですが今までどんなクエストを?』


クリス:『まだ始めたばかりだから、薬草の採取や荷馬車の護衛隊に同行したりしかして無いわ。』


メルティ:『実戦経験はあるんですか?』


クリス:『失礼ね!魔法学院の合宿でホーンラビットやポイズンラットと戦った事はあるわよ!』


あかん・・・。


そんな低級の魔物でドヤ顔しとる。


アレッタ:『あのねぇ・・・。それって初心者中の初心者でも倒せる魔物よ?魔法学院を出たって割りには、それしか実戦経験が無い訳?』


クリス:『・・・ま、まぁ貴族ばかりが通う学院だしね!でも中級の風魔法の詠唱も出来るわよ?』


メルティ:『お話になりませんね。』


クリス:『なんですって!?』


おいメルティ!一応相手は子爵家の令嬢だぞ!


メルティ:『私達のパーティーに入ると言うのなら、最低でもレッド・グリズリーを一人で倒せる様で無ければ到底無理な話です。』


クリス:『レ、レッド・グリズリーですって!?あんな大物を一人で!?』


アレッタ:『そうねぇ。そのぐらいの魔物を討伐出来ないと足手まといかも知れないわ。』


クリス:『冗談よしてよ!何処の世界にレッド・グリズリーを一人で倒せるブロンズが居るのよ!』


メルティ:『少なくとも私とセイト様は倒せますよ?ちなみに二人ともブロンズです。』


シルヴィ:『私とアレッタさんはシルバーですけど、私がシルバーに上がる頃にはサベージ・バッファローなんかも狩っていましたよ?』


クリスが受付嬢の方を見ると、受付嬢が頷いた。


メルティ:『貴女が思っているほど冒険者は簡単な仕事じゃありません。それにセイト様なんか上級魔法を無詠唱で操れるんですよ?』


クリス:『上級魔法を無詠唱ですって!?嘘よ!!賢者様でも無い限り、そんな事が出来る筈が無いわ!』


そう言うとクリスはセイトを睨みつけた。


セイト:『しゃーない・・・こりゃ見せた方が早いかな・・・。』


セイト達はクリスを連れて、街の郊外にある岩だらけの土地に来た。


メルティ:『この辺りまで来れば大丈夫でしょう。』


クリス:『こんな所まで来ないと駄目なものなの?』


セイト:『えぇ、近くに民家があったりしたら大変な事になりますからね。メルティ、あの岩山でどうかな?』


メルティ:『良い感じだと思います。』


セイトは岩山に向かって手をかざすと、巨大な炎の球体を出して投げつける様に岩山に球体を飛ばした。


球体は岩山に当たると同時に炸裂し、岩山ごと吹き飛ばしてしまった。


クリス:『えっ・・・。』


ついさっきまでそびえ立っていた岩山が、炎系魔法一撃で消し飛ぶ様を目の当たりにしたクリスはその場に固まってしまった。


アレッタ:『ね、ねぇセイト・・・今のってまさか・・・。』


セイト:『うん、ただのファイアボールだよ。』


アレッタ:『ウソ・・・あの話って本当だったのね・・・。』


シルヴィ:『これはちょっと規格外なんてものでは無いですねぇ・・・。』


我に返ったクリスは強張った顔でセイトに詰め寄った。


クリス:『ちょっとあんた!!ブロンズだなんて嘘っぱちでしょう!!あんな威力の魔法だなんてエクスプロージョンかギガバーストしか有り得ないわ!!』


セイト:『ファイアボールですよ。』


クリス:『は!?』


セイト:『だからただのファイアボールだって言ったんです。それに正真正銘僕はブロンズですよ。』


メルティ:『セイト様は魔力の純度が高いのと潜在的な魔力量が高いんです。セイト様が使うと、魔力の増幅無しで単なるファイアボールでもあれほどの威力になるんです。もちろん魔力の制御次第でもっと弱くも出来れば、更に強力にも出来ますが。』


クリス:『ただのファイアボール!?あれが!?貴方一体何者なの!?』


セイト:『僕は空人なんです。上級魔法を見せても良かったんですが、あまり強力なのを使うと地形が完全に変わっちゃいますしね。』


アレッタ:『いや、既に変わってるじゃないの!!』


クリス:『空人!?初めて会ったわ!どうりで魔法が強力な訳ねぇ。じゃあもしかして他の人達も?』


アレッタ:『アタシ達はこっちの人間よ。セイトとメルティが旅をしていた時に知り合ったの。』


クリス:『そう・・・。でもさすがに驚いたわ。確かにこれだけ強力な魔法が使える人が居るなら、私なんて足手まといになるわね。分かったわ、もっと私に見会ったパーティーを探す事にするわ。』


まぁ納得して貰えてなによりだ。


しかし世の中狭いなぁ・・・。



街に戻るとギルドで次の仕事を物色した。


セイト:『さて、討伐系にするか採取系にするか・・・。』


シルヴィ:『近場のクエストが良いですかね?』


アレッタ:『私は別に遠くでも良いわよ?』


メルティ:『あれ?このクエスト・・・。』


セイト:『どうしたの?』


メルティ:『セイト様、これ・・・。』


メルティが見つけたクエストは、以前旅の途中で立ち寄った町で聞いた【スレイズ】という町のダンジョン探索だ。


セイト:『あぁ!隣町の食堂で聞いたダンジョンか!』


メルティ:『はい、どうやらスレイズの郊外に新たなダンジョンが発見されたとかで、その調査依頼ですね。』


アレッタ:『へぇ~、ダンジョンかぁ。て事は階層毎にボスが居るって事よね?誰も攻略して無いならお宝も期待できるわね。』


シルヴィ:『でしょうねぇ。でもそうなるとスレイズの町に宿を取って通う事になりますね・・・。あっ!報酬40ゴルドですって!結構報酬良いですねこれ。』


メルティ:『どうします?セイト様。』


セイト:『そうだなぁ・・・面白そうだしやってみるか。』



僕達はギルドにクエストの申し込みをすると、家に戻って出発の準備をした。


セイト:『あれ?シルヴィ、その槍っていつも持っているランスとは違うよね?』


シルヴィ:『あ、これですか?いつものは長いのでダンジョンだと振り回せないんですよ。これは短めの物で、片手でも扱えるショートスピアっていう物です。盾も小型のを使う予定です。』


セイト:『確かに狭い所だと長い武器は使いづらいよね。』


シルヴィ:『そうですね。短い分通常のランスより殺傷能力は低いんですけど、先端部分に外向きの刃が2本付いているので剣の様な使い方も出来るんです。使い方次第では多勢相手でも結構戦えます。』


アレッタ:『使い方も違うのよね?』


シルヴィ:『はい、ランスは突くかなぎ払うんですけど、これだと斬りつけたり刺したりする感じですね。』


アレッタ:『シルヴィって見た目細いのにパワーあるわよねぇ?それだって軽くは無いんでしょ?』


シルヴィ:『普段使っているランスもそうですけど、魔力を通すと軽くなる様に作られてるんです。』


メルティ:『ちょっと見せてもらっても良いですか?』


メルティはショートスピアを手にすると、魔法の流れを確認する様に魔力を通した。


メルティ:『やはり・・・この武器には闇系統の魔法術式が組まれていますね。』


アレッタ:『それって付与されてるって事?』


メルティ:『いいえ、付与の場合はその魔法を解除したり付与し直したり出来るんですけど、これは中にある芯の部分に術式が刻印されているんです。こんな複雑な術式を組める魔術師はそう多くは居ないと思いますね。』


シルヴィ:『ランスみたいな武器はドワーフと魔術師の技術が使われているんです。本来持てる筈の無い程重い金属の塊を振り回せるのは、芯に使われているミスリル鉱に重力制御魔法の術式が刻印されているお陰なんです。』


セイト:『その術式って誰が入れているの?』


シルヴィ:『詳しくは解りませんが、聞いた話ですと魔道具専門の術師が居るらしいんです。』


アレッタ:『ドワーフの技術は剣も同じね。もしかしたら魔法剣の術式を刻印していた術師の子孫なのかな?』


セイト:『魔法剣?』


アレッタ:『遥か昔に作られた超御宝級の剣よ。凄く値が張る剣なんだけど、刀身の部分にヒエログリフが刻印されて、強力な魔法を放てる剣なのよ。かなり魔力を消耗するって言うから使い手を選ぶし、あまりにも値段が高いから買えないけどねぇ。』


シルヴィ:『幾らぐらいする物なんですか?』


アレッタ:『800ゴルドと8,120ペンスだったわ。』


シルヴィ:『800ゴルド!?豪邸が買えるじゃないですか!?』


ヤバい・・・いまいち価値が解らない・・・。


1ゴルドって大体10万円ぐらいだっけ?


って事は・・・約8千万円だとぉ!?


セイト:『何だって武器なのにそんなに高いの?』


アレッタ:『魔法剣って、今では失われた術式が使われている事が多いのよ。世界でも数本しか存在しないって話だわ。』


ロストテクノロジーって事か・・・。


って事は武器ってより宝物品扱いなんだろうなぁ・・・。


アレッタ:『そのほとんどは遺跡で発掘されたり王家の宝物庫に保管されてるんだけど、まれにダンジョンで見つかる事があるのよ。』


セイト:『へぇ、太古の昔の技術かぁ、そいつはロマンだね。にしてもシルヴィは何処で手に入れたの?アレッタの話を聞くと凄く高価な物みたいだけど?』


シルヴィ:『私が普段使っているランスはお師匠様から頂いた物です。普通に買うと多分3ゴルドぐらいですね。』


それでも30万!?


メルティ:『そのショートスピアは幾らぐらいなんです?』


シルヴィ:『これは確か1ゴルドと500ペンスでしたね。』


セイト:『ちょっと待って?武器ってそんなに高価なものなの?』


アレッタ:『物によるわよ?安い物は500ペンスぐらいから買えるわ。そう言えばセイトの剣も結構な業物みたいよね?』


セイト:『そうなのかな?実はメルティから貰ったから価値とか良く解らないんだ。』


アレッタは手渡されたセイトの剣を見るなり固まった。


アレッタ:『ちょっと!?こ、これって名剣を幾つも産み出してるドワーフの名工【シュトラウス】の剣じゃない!メルティ!こんな高価な物をいったい何処で!?』


メルティ:『え?もちろんシュトラウス様の工房ですよ?セイト様の場合、安物の剣だと何本あっても足りませんから。』


今なんて?


どゆこと?


アレッタ:『セイトってどんだけ馬鹿力なのよ!』


セイト:『おい!?人聞き悪い事言うなよ!肉体強化無しで折れる訳無いだろ!』


シルヴィ:『いや、でもセイトさんならあり得ますね。』


セイト:『有り得ねぇよ!てかメルティも僕を化け物扱いし過ぎ!』


メルティ:『そんな事ありませんよ!じゃあこの剣を持って魔力を軽く注いでみて下さいよ!』


メルティから手渡された剣を持って軽く魔力を注ぐと、あっという間にヒビが入ってしまった。


セイト:『あ・・・あれっ!?あれ~!?』


その直後、剣は呆気なく折れてしまった。


セイト:あっ・・・。


アレッタ:マジだ・・・。


シルヴィ:ホントだった・・・。


メルティ:『でしょ?』


アレッタ:『にしてもこの剣、セイトの魔力に耐えられるって事はもしかして・・・。』


メルティ:『はい、特注品です♪』


≪いったい幾らしたんだろう・・・。≫


メルティ:『セイト様が魔法を使うと、必ず剣にも魔力は流れますからね。刀身に魔法耐性の高いミスリルと、魔力を取り込んで自己修復する性質のあるオリハルコンを合わせた合金を使ってあるんです。シュトラウス様は大喜びで作って下さいましたね。』


アレッタ:『ちょっ!?オリハルコンって、そんな貴重な金属使ってるの!?』


メルティ:『えぇ、私が以前アルム鉱山でミスリル鉱石の採掘をした時に、偶然見つけた魔鉱石が純度の高いオリハルコン鉱石だったんです。それを持ち込んでお願いしたんですよ。』


シルヴィ:『偶然って、地表に出て来るオリハルコン鉱石は滅多に無いと聞きますよ?』


セイト:『ねぇ、その・・・オリハルコンって、そんなに貴重な物なの?』


アレッタ:『そっか、セイトは空人だから知らないのね・・・。オリハルコンは世界で最も高値で取引される金属よ。滅多に発掘される事が無い分、その価値は金やダイヤモンドよりも高いの。純度の高い鉱石は、拳程度の大きさで屋敷が買える程よ?』


シルヴィ:『しかも世界各国で、オリハルコン鉱石が発見された鉱山の取り合いが原因で戦争すら起きる程の価値があるんです。』


そんなに!?


セイト:『じゃあこの剣って・・・。』


アレッタ:『間違い無く国宝級の剣ね。いいセイト?その剣の事は絶対に他人に話しちゃ駄目よ!!もしその剣に値段を付けるとしたら、5,000ゴルドを超える価値があるんだからね!』


うわぁ・・・マジかぁ・・・。


メルティ・・・やり過ぎ!!



翌朝僕達は、まず隣の宿場町のアルゼに向かい、その後馬車を乗り継いでスレイズへ向かったのだった。

お読み頂き有り難う御座いました。

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