2 Falling Down
曇り空だな〜…。まぁそれもまた良いかもしれない。
今日も僕は空にでた。
ああ。いつでも風は僕の味方だ。
裏切らない。
いつだって。
細胞の一つ一つが空気を含む
僕はたった今呼吸しているんだ。誰のためでもなく自分のためだけに。
他に何もいらない。
何も。
……………………………
今日も曇り空だ。最近多い気がする。ちょっと不満だけど飛べるんだから別に良い。僕は木に少し手を借りて飛び上がった。 風が強いので力を入れずに流れてみる。
空気は冷たいが温かい感覚。
しばらくするとポツポツと小雨が降ってきた。まったく。楽しみを奪うなよな。まだ楽しみ足りないので雲の上に上がってみようと思う。最近、太陽を見ていないしな〜。
大きく羽を羽ばたかせると上に向かって飛ぶ。
地球が帰ってこいとつぶやくのを感じる。小さい声で
「嫌だね。」ってつぶやき雲につっこんだ。
真っ暗。寒い。早くもつかないかな。そう思うか思わないかなのうちに雲から抜けた。
オレンジの明かりが僕を照らす。やっぱりここにいてくれたか。きれいだな。
綺麗って何だろう?
空だってきれいだ。
でも何か種類が違う気がする。でも言葉にすると綺麗としか浮かばない。
ああ。生きること以上に言葉は不自由で有限だ。 でも、まぁいいやと思う。こんな穏やかな気持ちになれたのだから。
帰ろうかと思ったけど、雲の下がまだ雨が降っているのを思い出して億劫になる。
そうだ。太陽に挨拶しにいこう。僕は、さらに上を目指した。
ここまでくるとさすがにちょっと息が苦しい。でも、太陽に挨拶したい気持ちが勝っていた
もっと高く。
もっと高く。
もっと高く。
綺麗な君と話がしたい。あれ?この辺熱くないか?
そう思った時だった。
僕の羽は燃えて僕は落ちていった。
ああ。まだ早かったってことかな。
目をつぶった。
空で死ねるならそれでいいや。
雲を通る。
雲の下は大雨だった。
冷たい。
死ぬってこういうことなのかな
冷たい…。
僕は意識を失った。
これからどうなるかはわからない。