シルビィからの返事。
「…。」
「…。」
私とユウスケは、私の部屋にいた。
…さっきの私の失態で、二人は無言。
「…正面から…。」
私はボソッとつぶやく。
「あ、あれはリノンが…。」
…まぁ、悪いのは私だけどね。
面白いから、追い打ち。
「…せっかくだから、目に焼き付けといて?」
「!?」
あはは!
ユウスケ赤くなった♪
…もとい。
遊んでる場合では…。
「シルビィから返事来てるかな?」
「どうだろう…。」
私は、シルビィとの交換日記を開く。
返事は…来てた!
・・・・・
お姉ちゃんへ。
試験お疲れ様!
エンカウント…ごめんなさい、
こっちでちょっともめ事があって…。
今収まったところ。
天使様にも手伝ってもらったから、そこで緩んじゃったみたい。
お兄ちゃんには弱いモンスターが引き寄せられたのかな?
お兄ちゃんは異世界のはざまに何回も来てるから、
それが原因かも?
お兄ちゃんのお友達も、異世界のはざまに来ちゃったのね…。
お友達の方はまだ力が弱いから引き寄せられることは無いかも?
ただ、お兄ちゃんはこっちで手が離せない時には、
モンスターとエンカウントしちゃうかも?
出来るだけそっちでも対処できるように、
レベル上げといた方がいいかも?
じゃあ、またね!
シルビィより。
追伸
お土産届いたよ!
可愛かった!
今お土産でもらったペンで書いてるの。
ヘビ?
・・・・・
シルビィの返事で、私は安心する。
「…僕はエンカウントしちゃうんだ…。」
「そうみたいね…。」
ユウスケが不安そうに私を見る。
「じゃあ、また修行かな?
次はレベル30を目標にして。」
「…うん…。」
ユウスケは力ない返事をしたけど、目からは力を感じた。
この様子なら、大丈夫かな?
「じゃあ、シルビィに返事書くね?」
「うん、お願い。」
そういうと、私はペンをとり、日記に書き込む。
・・・・・
シルビィへ。
事情は大体わかったよ。
でも、そっちの状況が心配。
何があったか教えて!
リノンより。
P.S.
そのお土産、チンアナゴって言って、お魚だよ~。
・・・・・
シルビィは連絡が取れたから、返事早いかも。
「シルビィの方は大丈夫かしら?」
「どうだろう…きっと大丈夫だと思うけど…。」
ユウスケも不安そう。
そうしていると、日記が光る。
シルビィからの返事だ。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
こっちは大丈夫だよ~。
私と天使様が居るから!
実は、ちょっと強いモンスターが出たの。
もしかしたら、こっちでモンスターが収まらない
ヒントになるかなって、思って倒しに行ったんだけど…。
ちょっと空振りかな…。
でも、天使様がおっしゃるには、少しだけ近づいたかもって。
こっちの情報もわかったら連絡するね~!
シルビィより。
追伸
お魚だったんだ~。
ふわふわして可愛いよ!
・・・・・
「…向こうも大変みたいだね…。」
「そうね…でも、シルビィなら何とかしてくれると思う。」
私もユウスケも、シルビィの元気そうな返事に、
一安心する。
「ただ…モンスターがまだ出てるのは気になるね…。」
「裏エンディングの反動かしらね…。」
その返事にユウスケは少し暗くなる。
「ねぇ、ユウスケ。
あまり気にしなくてもいいからね?」
「え?」
「裏エンディングにしたのは、私とシルビィの意思だから。
ユウスケは気にすることじゃないよ?」
「…でも…。」
「気にしないの!
私は…ユウスケにあえて幸せだし、
シルビィは…ちょっと大変かもしれないけど、
それもシルビィの意思だから。」
「…。」
「だから、ユウスケは気にしないの!」
「…わかった。」
そして、ユウスケは寝室に向かって行った。
…ユウスケ…そんなに気にしなくていいんだからね?
私たち…シルビィも含めて決めたことなんだから…。