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やっぱり苦手だった現代社会…。
「う~ん…。」
私は苦手な現代社会の問題とにらめっこしていた。
えっと…国とかは何とか覚えたけど…。
何だろう…思想とか法律とか…。
暗記したはずだけど、やっぱりむこうの世界と違いすぎる…。
もう、誰が何なのかわからない…。
「そこまで!」
先生が時間を知らせる。
「社会は苦手なの?」
「はい…勉強したんですが、なかなか覚えられなくて…。」
「じゃあ、しっかり復習などして、
春からの授業についてこれるようにしてくださいね。」
「え?合格ですか?」
「いやいや、まだだけど…。
でも、社会が出来なかったからと言って、
落ち込むことじゃないからね。」
先生は優しく言ってくれる。
「もし、新田さんが社会で自信を無くしたのであれば、
そうじゃないよと言いたかっただけです。」
「わかりました…。」
「じゃあ、最後、科学です。
現代社会の事は一旦忘れて、全力を出してくださいね!」
「はい!」
そして、私は最後の試験…解答用紙に『新田莉音』と書き込んで挑む。
この名前をいただいた、両親にも報いなきゃ…。