試験開始!
私は先生に連れられて、部屋に通されていた。
「新田莉音さん、これから編入試験を始めますね。
ご両親から事情は聞いています。
私たちもこの学校に新田莉音さんが入れるのを心待ちにしてます。
試験、頑張ってくださいね。」
「はい!」
先生から温かい言葉をかけられる。
「今日は国語、数学、英語、現代社会、科学の順で試験をします。
ちょっと時間が長くなるので、休憩したいときは言ってくださいね。」
先生から国語の試験を受け取る。
「では、始めてください。」
私は解答用紙に自分の名前を書く。
えっと…リノン・ジータ…じゃなくって、
新田莉音かぁ…。
新しい名前にも慣れなきゃ。
…それにしても、ユウスケと同じ名前かぁ…。
なんだか、良いなぁ…。
「新田さん?」
「…。」
「新田さん!」
「え、あ、私か。はい!」
「手が止まってるけど、大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です!」
…ちょっと気が読会っちゃってたや…。
集中、集中っと。
一通り勉強したからなぁ…。
この小説の作者…誰だっけ…。
ここで主人公の感じたことは何か…かぁ…。
うん、大体わかる!
私は解答用紙を埋めて、先生に伝える。
「終わりました。」
「あれ?まだ時間あるけど、見直しとか大丈夫?」
「はい、大丈夫です!」
「じゃあ、数学ね。」
早く、終わらせて、ユウスケに会いたいなぁ…。
…その前にこの試験、合格しなきゃ…。
あ、ユウスケに教えてもらった問題だ…。
こっちも昨日教えてもらったやつだ…。
数学は大丈夫そう!
私は解答用紙に次々と答えを書いていく。
「終わりました!」
「おや?数学は得意なのかな?
数学こそ見直しが重要だけど、大丈夫?」
「はい、一通り見ました。
次お願いします。」
「じゃあ、次は英語ね。」
ユウスケが心配してたやつだ…。
なんか、これ、古文書読むのと同じ要領なんだよね…。
全部の単語を覚えて、並び替えて…。
ちょっと変えるのも法則あるから…。
えっと…問題は、単語を書くのと英語を日本語にと
日本語を英語に…かぁ…。
教科書大体覚えたから、このあたりはだいぶ楽かな…。
あ、今日やった問題もある。
「終わりました。」
「わかりました。
新田さん、3科目おわったので、休憩いりますか?
先生が休憩を促す。
…次は苦手な現代社会だから、一息入れようかな?
「はい、お願いします。」
「じゃあ、10分休憩ね。」
先生にそういわれ、外に出てみる。
あ、ユウスケ、待っててくれたんだ。
「やあ、リノン。調子はどう?」
「うん、順調だよ♪
ユウスケ、待っててくれたの?」
「そうだよ、終わるまで待つつもりだよ。
今、どこまで終わったの?」
「えっと…国語と、数学と英語が終わったところ。」
「…3科目…早くない?」
「そう?」
ちょっとユウスケが暗い。
「でも、次は苦手な現代社会…。」
「リノンなら大丈夫だよ!
応援してるからね!」
ユウスケに励まされる。
…よし、絶対合格してやる!!
「私頑張るから!
一緒にこの学校に行きたいから!」
「うん、わかったよ。
頑張ってね!」
そうして、私は先生の待つ部屋に戻っていった。