甘いクレープで仲直り。
「…。」
私はむくれていた。
私の事をほっといて、一人で楽しんでるユウスケに…。
…って、私がやってほしいなんて言ったからだけど…。
「…ゴメン、リノン…。」
ユウスケは、力なく私に謝ってくる。
「なんか、甘いもの食べたい。」
私はむくれながら、ユウスケに甘いものを要求する。
「うん、良いよ…。」
ユウスケは力なく答える。
いや、そんなに落ち込まなくてもいいけど…。
でも、私の気持ちは収まらない。
私はむくれたまま、ユウスケに言う。
「ありがとう。
じゃあ、あのお店がいいな。」
「クレープ?
いいよ。」
なんだか甘い香りがするお店があったので、
私はそこを指さす。
「どれがいい?」
「ん…じゃあ、これ!」
「チョコバナナだね?」
チョコは分かるけど、バナナって何だっけ?
えっと…確か南の方で生えてたような?
「どうぞ!」
店員さんからそのチョコバナナをもらう。
「ユウスケ、バナナってこれ?」
私は白いものを指さす。
「うん、そうだよ?見たことないの?」
「いや、むこうでは珍しい食べ物だったから。
高くないの?」
「ううん、普通の値段だよ?」
普通…って、ことで安心して私はチョコバナナに食いつく。
うん、おいしい~☆
バナナも甘いし、チョコのほろ苦さもまた…。
「…。」
「リノン、おいしい?」
ユウスケは申し訳なさそうに私の顔を見る。
…甘いものも食べれたし…そろそろ可愛そうだから、
許してあげようかぁ…。
「…寂しかった…。」
「…ゴメン…。」
「でも、許すね。」
「…ありがとう。」
許すと言いながら、まだ私はむくれた表情のまま。
「はい。」
「え?」
「おすそ分け。」
私はユウスケにチョコバナナを近づける。
「早く食べて!」
「う、うん…。」
…ユウスケの顔、赤くなった♪
ちょっと仕返し。
ユウスケは、赤くなりながら、私の食べたところの
チョコバナナを食べる。
見てて、可愛い~☆
「…うん、ありがとう…。
おいしいね。」
「うん、おいしいでしょ♪
それに…ね?」
「…。」
追い打ち。
ユウスケはもっと赤くなる。
…可愛いなぁ…。
…。
…。
…。
って、そのあとの事忘れてた…。
「…。」
「ん?」
「いや、その…。」
私は赤くなりながら、ユウスケが口を付けたクレープを食べる。
「おいしい?」
「う…うん…。」
…仕返しされた!!
私は赤くなりながら、チョコバナナを食べました。
チョコレートの甘さ以上に、何かの甘さを感じましたとさ。