剣士リノン誕生?
「えへへ☆」
なんか、プリって面白い!
スマホで撮るもも良いけど、二人で撮れるのがうれしい。
不意打ちも成功したし♪
…落書きもできるようだったけど、初めての写真だから
汚したくなかったから…。
今度は少し描いてみようかな?
「ねぇ、違うのでもう一回撮らない?」
「いいよ、リノン気に入ったの?」
「うん!
今度は描いてみたいの。」
「わかったよ。」
ユウスケ、優しいな…。
好意に甘えとこ…。
「これは…4枚撮れるのかな?」
私は少し慣れたので、4枚とも不意打ちしてみる。
「…リノン、ずるいよ…。」
「いいの、いいの♪」
すっかり私は上機嫌で、落書きコーナーに行く。
ペンをもって、考える。
「う~ん…。」
この写真も、あまり汚すの好きじゃないな…。
「どうしたの?」
「えっと…これだでいいや!」
私は写真の下に『初めての水族館♪』とだけ書いた。
「これだけでいいの?」
「うん♪」
今はこれだけで充分かな…。
ユウスケの動揺した姿もしっかり撮れたし♪
出てきた写真を、ユウスケはハサミを入れて私に
渡してくる。
「ふふふっ♪」
「リノン、うれしそうだね。」
「うん♪気に入ったよ♪」
二人の写真…。
私は大事にしまった。
「ユウスケ、あれは何?
剣が突き刺さってるけど?」
「あぁ、これはゲームだよ。
剣を振って、敵を攻撃するの。
やってみる?」
「うん!」
ユウスケはコインを入れると、私に剣を手渡した。
「説明すると、剣で切って攻撃はかわしていくゲームなの。」
「なんだかおもしろそう!」
「まずは僕が手本を見せるね。」
ゲームが始まる。
画面に大きなモンスターが映し出される。
「!?」
私は身構える。
「リノン、ちょっと待って!」
ユウスケは画面にとびかかろうとした私を止める。
「モンスターだよ!」
「いいから、見てて!」
ユウスケはそういうと、画面に向かって剣を振るう。
全然届いてないけど…。
「え?当たった?
魔法でも飛ばしたの?」
「…違うよ。
剣を振ると、ゲームがその動きを読み取るんだ。」
…よくわからないけど、とりあえず剣を振れば
モンスターは倒れるのね?
「やってみる!」
私はいつもの動きで剣を振るう。
一体、三体とどんどん倒れている。
「ねぇ、あのお姉ちゃんすごいよ!」
「なんつー早業だ!」
「お、俺、剣見えなかったぞ…?」
なんだか人が集まってくる。
えへへ☆
良いところ見せよっと♪
「たぁ!!!」
私はナイフと毒針で鍛えた早業でモンスターを
どんどん倒してゆく。
そうすると、大きなモンスターが音を変えて出てきた。
「リノン、ボスだよ!」
ユウスケから声がかかる。
私がモンスターを全部倒しちゃったから…かな?
ほぼ棒立ちで私を見てた。
「わかった!」
「リノン、これも使って!」
私はユウスケから剣を受け取ると、2本構える。
「おぉ!!二刀流だ!」
「お姉ちゃんすごい!!」
「二本…だと?」
人だかりから声があふれる。
「リノン、よけて!!」
ユウスケの声に反応して、私はモンスターの攻撃をよける。
「そこだ!!」
「いくよ!!」
私はモンスターに連撃を加える。
「は、早い!!」
「え?あのボス、こんな早く倒せるんだっけ?」
「お姉ちゃん、かっこいい!!」
画面のボスはうめき声を立てて倒れる。
「「おおぉ!!!」」
人だかりから歓声が聞こえる。
「easyじゃなくhardを!!」
「お姉ちゃんもう一回!」
「すごいプレーヤーが現れたな…。」
人だかりから、なんだかよくわからない言葉も交じりながら、
アンコールが聞こえる。
「ユウスケ、もう一度いい?」
「…いや、また今度にしよう…。」
「えー、なんで?」
「そろそろ帰る時間だし…。」
…しょうがないか…。
私はユウスケに手を取られて、ゲームを後にする。
人だかりからはまだ歓声と拍手があふれていた。