初デート♪
…こういうところで働いてたんだ…。
でも、ギルドと雰囲気変わらないなぁ…。
「やっぱり、ユウスケはギルドで働いてたんだね…。」
「?」
ユウスケは、カウンターで呼び鈴を鳴らしてる。
…やっぱり、ギルドじゃない?
店員さんに席を案内され…。
でも、やっぱり向こうとは違うな…。
建物のつくりとか…。
椅子も柔らかい…。
「ユウスケって、高級料理店で働いてたんだね…。」
「?」
「なんか、こういうところって、素敵ね…。」
「…えっと…リノンは何食べる?
…って、メニュー見てわかるかな…。」
ユウスケはメニューを私に手渡した。
見ると、きれいな絵が並んでた…。
「え?なにこれ?
こんなに絵がうまく描かれてる…。
絵師を雇ってるの!?」
「…いや…それは、写真って言ってね…。
後で説明するよ…。」
なんか…ユウスケって、
すごいところで働いてたんだ…。
「食べたいもの決まった?」
「えっとね…ゴメン、よくわからないや…。
ユウスケのおすすめで、お願いできる?」
「わかった。
えっと…リノンは焼き魚好きだから、これなんてどう?」
ユウスケは、メニューに指をさして、私に見せる。
焼いたお魚のきれいな絵が載ってる…。
「うん、これお願い。」
「わかった。
僕も同じのにしようかな。」
そういうと、ユウスケはテーブルの横にあった、
小さなボタンを押した。
そういえば、どこのテーブルにもおいてあるなぁ…。
「お待たせしました、ご注文をうかがいます。」
「うわっ!!」
「どうされました?お客様?」
「…いえ、何でもないです…。」
!?
今の何??
ユウスケ、店員さん呼んだっけ?
そんな素振り、見せなかったけど…。
あっ、もしかして、あの小さなボタンって、
魔法の道具!?
こんなの置くような、お店って…。
「ここ、すごく高いお店じゃないの?」
「いや…そんなことは…。」
「だって、椅子フカフカだし、
魔法のスイッチ置いてあるし…。」
「あぁ、これね。
魔法じゃなくて機械だよ?
これを押すと、押したテーブルの番号が表示されるんだよ?
そして、呼ばれたテーブルに、店員さんが来るの。」
「え!?
機械の方が高価じゃない!?」
「…いや…こっちには魔法が無いから…。」
…ユウスケの顔、困ったような、でも嬉しそうな顔してる…。
「…。」
「どうしたの?」
「…少し…私の知らないこと見つけて、楽しんでるでしょ?」
「…いいじゃん…。」
…でも、私はこうして教えてもらわなきゃならないのか…。
こっちの生活…色々教えてもらわなきゃ…。
「いろいろ教えてほしいけど、意地悪しないでね?」
「…わかってるよ!」
「お待ちどう!」
「ひぇ!?」
「げっ!!」
…料理来るの早すぎない?
この世界って、色々不思議だわ…。
「てっ、店長!
なんで配膳なんてしてるんですか?」
「な~に。
雄介が可愛い女の子連れてきたって、
みんな騒いでたからな!
俺、直々に配膳したってわけよ!」
「…職権乱用だ…。」
あ、冒険家の店長さんだ!
私も挨拶しなきゃ…。
「こんにちは!
ユウスケさんから話しは聞いてます。
ユウスケさんがいつもお世話になってます。」
立ち上がって挨拶してみた。
…う~ん、私って、人見知りのはずだけど…。
なんか、ユウスケと知り合いの人には
平気に思えてきた。
「お嬢様、いらっしゃいませ!
自慢の料理ですので、暖かいうちに召し上がりください。」
「…なんか、店長のその話し方、こそばゆい…。」
「…で、ユウスケ…この子は彼女なのか?」
耳打ちしてるけど、聞こえた…。
ユウスケ困ってるみたい…。
じゃあ、私が助け船出しちゃう♪
「はい!彼女です。
今日こちらに来ました。
今は、ユウスケさんの家でお世話になってます!」
…言えた!!
言いずらいもんね。
ユウスケ、代わりに言ってあげたわよ?
感謝してね♪
「…ユウスケ、やるな…。
今度店に来た時、ゆっくり話しを聞かせてもらうな。」
「…はい。」
…耳打ちだけど、ばっちり聞こえてるし…。
そういうと、店長さんは戻って行っちゃった。
「じゃあ、ユウスケ、食べましょ♪」
「あぁ…。」
なんでだろう…ちょっとユウスケ、暗い…。
「…私、変なことしちゃった?」
「…いや、リノンは悪くないよ…。」
「じゃあ、笑顔、笑顔♪
ご飯にしましょ♪」
「そうだね。
…リノンと初めての食事だね…。」
「!?」
…そうだった…。
なんか、そういわれると、照れ臭いな…。
それに…ユウスケ、私には優しく話すし…。
「…ユウスケ、ずるい…。」
「?」
「いただきま~す☆」
「ん?ああ、いただきます!」
…えへへ☆
ちょっと仕返ししよっと♪
「…うん、初デートだね…。」
「!?」
…うふふ…。
やっぱり、顔赤くなった♪
可愛い~☆