モンスターと動物の違い
「さ、続き、続き♪」
私たちは元の水族館に戻る。
「タコ、怒ったのかな…」
「え?なんで?」
「だって、僕たちたこ焼き食べたりして…。」
「あぁ…そうかもね…。」
タコの逆襲にユウスケは少し影を落としている。
でも…タイミングよすきだよなぁ…。
タコ食べた後にタコなんて…。
「魔法の使い方、覚えてきた?」
「うん、さっきはゴメン…。」
「ううん、気にしないで。
それよりも次行こ!」
私はユウスケの手を引っ張り、次の部屋に向かう。
「!?」
そこには白いクマのモンスターが居た。
私はとっさにポーチから…。
「ユウスケ、ナイフが無い!!」
私は涙目でユウスケにうったえる。
「…物騒なもの出さないの。
あれは優しいクマだから。」
ユウスケに言われて、クマを見てみる。
優雅に泳いだりしている。
「あれ…モンスターじゃないの?」
「うん、一応ね。
水族館で飼われているクマだから。
まぁ…本当に出くわしたら、危ないものだけどね…。」
へぇ…クマはこっちにもいるんだ…。
むこうでは結構危ないモンスターだったけど。
「…これなら、素手でもいけるかな…。」
「え?」
「ううん、何でもない!」
…なんだろう、この倒したくなる気持ちは…。
「リノンの世界には動物園…動物がたくさんいるところは
なかったの?」
「うん、そういうのは無かったかな…。
モンスターを展示してるところはあったけど…。」
「動物とモンスターって、区別あるの?」
「基本は動物が狂暴化したのがモンスターだよ。」
「そうなんだ…。」
確かに言われてみると、私の倒してたモンスターって、
元々はおとなしい動物だったのかな…。
「あれ?
なんか、水の中で鳥が泳いでるよ?」
「あれがペンギンだよ。」
「ペンギン…もっとでかくて狂暴だと思ってた…。」
「そういえば、モンスターとか言ってたね。」
日記の事を思い出す。
ユウスケにペンギンって聞かれてた気が…。
確か、私は文房具のモンスターとか言ったんだっけ?
…まぁ、似たようなモンスターは居たけどね。
「私の世界では、こっちの幽霊みたいなのも
モンスターだったなぁ…。」
「そうなんだ…。」
ユウスケは優しく微笑んでくれる。
私の言葉を一つひとつ聞いてくれるのは、なんだかうれしい。
「あ、これは分かるよ!カメでしょ?」
「うん、そうだよ。
モンスターで居たの?」
「うん、これは居たよ。
すっごく硬かった。」
…に、しても、私の発言って、ずれてるのかなぁ…。
ここにきて、モンスターの話しと食べる話ししかしてない
ような気がしてきた…。
「…。」
「どうしたの?リノン?」
「ユウスケはこんな私と水族館に来て楽しい?」
私は視線を落としながら、ユウスケに聞く。
ユウスケは、つないでる手に力を込めて言う。
「当たり前だよ。楽しいに決まってるじゃない?」
「本当に?」
私はユウスケの顔を見つめる。
ユウスケは真剣な表情で私を見る。
…ちょっと照れる…。
「ここにきて、リノンがどんな生活してたかもわかったし。
だから、リノンの話してくれること、すべてが面白くて
僕にとっては新鮮だよ?」
…やっぱり、改めて言われると、照れるなぁ…。
「…ありがとう…ユウスケ…。」
「え?なんて?」
「ううん、何でもない!」
2度言わせないで…。
こっちだって、言うの恥ずかしいんだから!
「そろそろ終わりだね。
お土産でも見ていく?」
「うん、そうしよ!」
私たちは水族館を抜けて、お土産屋さんに向かった。




