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ジンベイザメが現れた!!

「えへへ☆」

「ん?どうしたの?」

「何でもな~い♪」


ユウスケの優しい表情撮れちゃった♪

…そういえば、どうやってもう一度見るんだろう?

ユウスケに…って、見せたくない!!

…帰ったら、説明書よもっと…。


「ここが大水槽だよ。」


ユウスケは指をさす。


「!?」


私はとっさに構えて、ポーチからナイフを…。


「ユウスケ!!」

「どうしたの?」

「ナイフが無い…。」


私は泣きそうになりながら言う。


「…モンスター出ないし、物騒なもの持ち歩かないの…。」

「だって…。」

「あれでしょ?

あれがジンベイザメ。

ああ見えても、おとなしいんだよ?」


よく見てみる。

水の壁の中に、大きな魚が泳いでる。

確か…スマホで見せてもらったような?

実際に見てみると大きい。

私は恐る恐る、水の壁に手を触れてみる。

固い。


「これ、何の魔法?」

「いや、魔法じゃなくて…。

えっとね、これは水槽で透明の板…ここにある

アクリルの板が入ってるんだよ?」


ユウスケは指をさす。

なんか、透明の四角いものが展示してあった。


「これ、何?」

「水槽の厚さを知らせるための展示物だよ。

これだけ厚いアクリル板だよって。」

「へぇ…。」


よくわからないけど、この板で水槽を作ってるのかな?

本当、水の壁があるみたい…。


「ねぇ、ユウスケ。」

「なに?」

「あのお魚は、ジンベイザメに食べられないの?」

「ジンベイザメは食べないけど…。

ほら、あそこにサメが居るでしょ?

あのサメは食べるよ?」

「え?食べるお魚も一緒に入れて大丈夫なの!?」

「うん、自然に近い環境になるから、

あの魚…イワシの群れなんだけど、

適度なストレスになるから、長生きになるんだって。」


…あ、イワシなら知ってる!

でも…。


「…開かれてないからね?」

「わ、わかってる!!」

「まさか、あの形で泳いでると思ってなかったよね?」


ユウスケが意地悪する。


「ば、バカ言わないで!

イワシ、奇麗だねぇ…おいしそうだねぇ…。」

「…水族館で『おいしそう』は禁句です…。」

「…はい…。」


釘を刺された…。

む~、さすがは水族館慣れしてるな…ユウスケは…。

私はどことない敗北感を味わう。


「そういえば、この大水槽を1時間見てたの?」

「うん、そうだよ。」


私は大水槽を眺める。

これが…日記で書いていた景色…かぁ…。


「奇麗だね…。」

「うん、僕はつい見とれちゃうんだ…。」

「…メス?」

「知りません!!」


こんなやり取りもあったなぁ…。

そんな日記を思い出しながら、大水槽を見る。


「ねぇ、ユウスケ…。」

「なに?」

「ここって、最初に泊まってみたところ?」

「うん、そうだよ。」


私はその時の日記を思い出しながら見る。

あの時はなんて書いたっけかな…。


「2つ目の水族館は冒険…だっけ?」

「うん、リノンに言われてね。」

「ユウスケにとっては、冒険だったんだよね…。」

「うん…。」


ユウスケは素敵な冒険をしてたんだなぁ…。

こんな景色なら…わかる気がする…。


「ぐぅ…。」

「?」

「い、いや、何でもない!

不可抗力で…。」

「いや、良いよ。

ちょっと早いけど、お昼にしようか?

フードコーナーに行ってみない?」

「フードコーナー?」

「うん、ご飯を食べるところだよ。」


うぅ…恥ずかしい…。

食べることばかり考えてるって、

思われたくないのに…。

でも、お言葉に甘えて♪


私たちはフードコーナーに向かった。

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