小さな幸せ
「う~ん、今日もよく眠れた♪」
私は布団から抜け出る。
上の布団だけ3つ折りにする。
ユウスケのお母さんが、全部たたまなくてもいいよとのこと。
湿らないように上だけで。
着替えて、リビングに出る。
「おはようございます!」
「おはよう!リノン。」
「おはよう。」
ユウスケのご両親に挨拶。
…あ、そっか…もう私の両親でもあるのか…。
「悪いけど、雄介起こしてきてくれない?」
「はい!いいですよー!」
お母さんに言われて、ユウスケの部屋に行く。
「ユウスケ、入るよ~。」
私はそっと入る。
まだ、ユウスケは寝てるみたい。
「…寝顔見てるの、良いなぁ…。」
私はぼんやりとユウスケの寝顔を見る。
…じゃ、なくて。
「ユウスケ、朝だよ~、起きて?」
「う~ん…。
あ、リノン、おはよう!」
…なんだか、こうしていると本当に家族なんだなぁ…って。
…本当に家族になるとは思わなかったけど…。
「お兄ちゃん、起きて!!」
「起きてるし、その呼び方はやめて!!」
あはは☆
ユウスケ照れてる~♪
「着替えたら、リビングに来てね~。」
「うん、わかったよ。
ありがとう、リノン。」
私はユウスケの返事を聞いて、リビングに戻る。
…なんだか、起こすのっていいなぁ…って、感じる…。
こういう一つひとつの幸せが、大切なんだなぁ…って。
「雄介起きた?」
「ええ、来ますよ。」
お母さんに聞かれて、私は答える。
「おはよう。」
「おはよう。
春休みだからって、いつまでも寝てちゃダメだからね?」
「は~い。」
何気ない日常。
でも、これが私の新しい日常なんだって…。
「ん?どうしたの?リノン?」
「いや、何でもないよ?」
私はこの日常を大切にしたい…。
「今日はリノンの好きな焼き魚よ~。」
「サケでしたっけ?」
「そうそう、サケよ。」
「私、このお魚気に入りました!」
「あら、良かったわ!
でも、食べられないものがもしあったら、言ってね?」
「わかりました!」
ユウスケの…今は私のでもあるけど、
お母さんが優しく言ってくれる。
…そういえば、私の…むこう側のお父さん達、
元気にしてるかな…。
…でも、お別れしてくるときに誓ったっけ?
異世界…こっちの世界に来る時の覚悟はあるのかって…。
無いなら全力で引き留める。
あるなら、全力で幸せになれって…。
…。
お父さん、お母さん、私は今幸せだよ…。
こっちのお父さんお母さんも、優しい人です。
「リノン?」
「ん?なに?」
「今日は様子が変だよ?」
「そうかなぁ…。」
「悩み事とかあったら、言ってね?」
…心配されちゃった…。
後悔はしてない。
でも、やっぱり思い出すと、少し寂しいな…。
本当は私の両親も紹介したかったなぁ…。
「ごちそうさまでした。
ユウスケ、先準備して待ってるね!」
「うん、わかったよ!」
…この幸せが逃げませんように…。
そう願って、私は図書館に行く準備を始めた。




