ボスとエンカウントの理由
私たちは、図書館から足早に家に戻り、
シルビィに連絡をする。
「じゃあ、書くね。」
私の部屋でユウスケと二人になり、
シルビィに日記を書く。
・・・・・
シルビィへ。
今日ハイオーガとエンカウントしたんだけど、
心当たりある?
リノンより。
・・・・・
書いて日記を閉じる。
「シルビィもすぐに連絡取れないかもしれないから…。」
「…なんか、もう光ってるよ…?」
…シルビィ…。
いつも思うんだけど、早すぎない?
・・・・・
お姉ちゃんへ。
うん、それ連絡しようとしてたの。
どうも天使様が抑えつけきれなくて、
何とかお姉ちゃん達の所に連れてきた感じなの。
だから、あまり強いモンスターがまぎれると、
今回みたいになっちゃうの。
でも、今回のはレアケースかな…。
あれがそっちに行くとは思わなかったから…。
今ちょうど休んでるところだから、
今のうちに作戦立てる?
シルビィより。
・・・・・
…なんだか、シルビィのタイミング良すぎ。
…まさかと思うけど、日記持ち歩いてないよね?
「強いモンスターだと、今日みたいになるんだ…。」
ユウスケが考え込む。
「…僕を…レベルアップできないかな…。」
「え?なんで?」
「僕も力になりたい…。」
「ユウスケ…無理してほしくないんだけど…。」
「いや、これは僕のため。
今回みたいのだと、僕がリノンの足かせになっちゃうから…。
そうはなりたくないんだよ…。」
ユウスケは少し力なく話す。
「だから、僕を強くしてほしい…。」
「うん…わかった。
でも、今日はレベル20が限界かな…。」
「そっかぁ…でも、やるよ!」
ユウスケの想いをくんで、私はシルビィに日記を書く。
・・・・・
シルビィへ。
状況は分かったわ。
ありがとう。
ユウスケをレベルアップさせたいから、
こっちにモンスターをたくさん送って貰える?
徐々に強くしてくれると助かるから。
お願いね。
リノンより。
・・・・・
「じゃあ、日記の回答を…。」
「…来たね。」
…早いって…。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
わかったよ!
お兄ちゃんも無理しないでね!
シルビィより。
・・・・・
「うん、無理はしないよ?」
「…誰に言ってるのさ!!」
私はちょ~っと、嫉妬する。
…なんでこんなに嫉妬するのかわからないけど…。
…シルビィ可愛いからなぁ…。
「じゃあ、行くよ!」
私はユウスケの手を取り、掛け声を上げる。
そして、世界はあの世界へと変わる。