ユウスケ…違うよ?
また、元の公園に戻る。
なんだか、ユウスケの様子がおかしい。
「ユウスケ…どうしたの?」
「ううん。それよりさっきの戦闘はどうだった?」
「うん、すごかったよ!
でも…私の話しも聞いてほしかったな…。」
「ありがとう。
そしてゴメン…。
なんだか夢中になっちゃって…。」
ユウスケとパーティーを組めるのは嬉しい。
けど、なんか違う…。
私は…単にユウスケと戦いたかっただけ…。
なんで、こんなに必死なんだろう…。
「…ねぇ、ユウスケ、ちょっと歩こうか。」
「うん、モンスターは大丈夫なの?」
「あと2回送ってもらう約束してるけど、
歩いてても平気だよ?」
「…わかった…。」
なんだろう…ユウスケ思い詰めてる感じがする…。
巻き込んじゃいけなかったのかな…。
ただ私はユウスケと戦えるだけでも嬉しいのに…。
さっきのユウスケは、ちょっと怖かった…。
急ぎすぎてるというか…。
「…ねぇ…モンスターと戦うの、どう思う?」
「リノンはこうして戦ってきたんだよね?
僕も…リノンの力になりたい…。」
…そんなこと思ってないんだけどな…。
ただ、私はユウスケと一緒に居たいだけ。
巻き込んだのも、一緒に居たかっただけ。
「ユウスケはこの後どうしたい?」
ふと、思いついた言葉を出してしまう。
…なんでこんなこと聞いちゃったんだろう…。
「僕は…もっと強くなりたい!」
…ユウスケ…。
私も強くなってもらうのはうれしいけど…。
…なんか違うの…。
ただ私の事をもっと知ってほしかっただけ。
私の戦う姿を見せたかっただけ。
ユウスケにもどんな感じだったのか…。
やってみてほしかっただけ…。
…バカだなぁ…私…。
ユウスケが『賢者』って聞いて、はしゃいじゃったけど…。
「…巻き込んでゴメン…。」
…なんでこんなこと言っちゃったんだろう…。
言葉に出してから後悔する。
「ううん。
リノンの事は僕の事でもあるから。
心配しないで?」
ユウスケの優しい言葉。
でも…違うの。
「私の事は、私だけでも大丈夫だから…。」
…嘘。
本当は一人は嫌。
でも…。
…私、どうしたらいいんだろう…。
「そんなこと言わないで?
こっちにリノンを呼んだ責任、
ちゃんととるから…。」
…!?
そうじゃない!!
そんな責任…私求めてない!!
「…なんだかゴメン…。
そろそろエンカウントだから。
ユウスケはあまり無理しないでね。」
「いや、僕はリノンを守れるだけになりたい!
せめて…足手まといにはなりたくない!」
足手まとい…。
そう思ってたの?
私はなんだかいい言葉が出てこない。
「今度も僕に任せて!」
…違うから…。
本当は…。
「来るね…。」
「…うん。」
私は言葉が見つからないまま、
無慈悲にも世界は姿を変えていく…。