力が欲しい…。
僕とリノンは異世界のはざまに転送される。
次の敵は…。
「プチデビルだよ…。」
リノンの視線を向けた先を見る。
「いくぞ!!」
僕はプチデビルに襲い掛かった。
「ユウスケ!」
僕の体は自然に動く。
杖を頭にヒットさせる。
「ギヤァァァ!!」
プチデビルは悲鳴と頭から血しぶきを上げて、
倒れてゆく。
「もう一体!!」
そばにいたプチデビルにもう一撃を加える。
…が、かわされる。
「くそっ!!」
僕は最初に倒したプチデビルの体液と臓物にまみれながら、
2体目を追う。
「ユウスケ!!」
プチデビルは炎を吐いてくる。
直撃。
でも、装備とレベルのおかげで、ダメージも少ない。
「うりゃぁぁぁ!!」
僕はプチデビルを杖で横なぎする。
…浅い!!
「キェェェ!!」
プチデビルは爪で攻撃してくる。
僕にクリーンヒット。
だが、これも装備に守られ、ダメージは少ない。
「くらえ!!!!」
僕は覚えたてのファイアーの魔法を使う。
これはヒットし、プチデビルは炎に包まれる。
「ギァァァァ!!!」
「ユウスケってば!!」
僕は最後の一体に的を絞る。
これも覚えたてのアイスの魔法を使う。
プチデビルは一瞬で凍り付く。
「とどめだ!!!」
凍り付いたプチデビルにとどめの一撃をお見舞いする。
「パリィィィン!!」
プチデビルは氷とともに砕け散る。
「はぁ、はぁ、はぁ…。」
「ユウスケ!」
リノンがむくれて僕に声をかける。
「さっきから呼んでたのに!」
「…ごめん、戦いに集中しすぎた…。」
「そこまでしなくてもいいんだよ?」
リノンは少しあきれ気味で僕に言う。
「プチデビル、あっという間に倒しちゃったね…。」
「うん…。」
いや…ダメだ…。
こんなんじゃ…リノンの足手まといにしかならない。
もっと力が欲しい…。
せめて…リノンと一緒なくらいに…。
「まだモンスターは来るの?」
「うん…あと2回…。」
「そうか…。」
また世界は普段の姿に戻っていく。