スライムは油断しちゃダメ!
元居た公園に戻る。
「ユウスケ、カッコよかったよ♪」
「うん、ありがとう!」
ユウスケは自信が出たように話す。
「…でも、スライムだけどね…。」
少し弱々しくユウスケ。
「そんなことないよ?
私だって初めての戦闘はスライムだし。
初めてで3体と戦ったんだから、すごいと思うよ?」
「そうかな…。」
ユウスケ、少し自信を取り戻したみたい。
実際、本当にスライムもなめてかかると危ない。
私も初めのうちは、危ないところまで追い詰められたことも
あるから…。
「そうだよ!自信もって!」
私はユウスケの手を握る。
…次のエンカウントまでは、まだ時間があるなぁ…。
もう少し公園で遊びたいな…。
私はもう一度ブランコに座る。
「最初は1体しか出なかったんだけど…。」
ブランコを揺らしながら、私はゆっくりあの頃の事を思い出す。
「街から離れるにつれて、2体、3体…。」
ブランコは大きく揺れる。
「初めて3体同時に相手した時は、大変だったよ…。」
私はブランコを漕ぐのをやめる。
「べとべとになりながら、スライムの攻撃を耐えて…。」
ブランコは次第に勢いを失っていく。
「倒せた時には、体力が底をついて…。」
ブランコはゆっくり止まる。
「街に逃げ帰ったこともあったよ。」
私は立ち上がる。
「臆せずに立ち向かったユウスケは、強いと思う!」
「…。」
ユウスケは考え込む。
…う~ん…励ますつもりで話したんだけどなぁ…。
「やっぱり、リノンは強いね…。」
「ううん。レベル99なだけだよ…。」
私は優しく言う。
「僕も強くなって、リノンを守るから!」
突然、ユウスケは声を上げる。
守るって言ってくれるのはうれしいけど、
本当はそうじゃない。
守ってほしくて、ユウスケのレベル上げしてるわけじゃ…。
「…そろそろ時間みたい…。」
そして、世界は変わってゆく。