リノンはナイフを装備した
私たちは現実世界に戻る。
ユウスケ、レベル上がった♪
この調子で、どんどんレベルアップして、
私と一緒に戦えるようになると嬉しいな…。
「よし!っと♪」
「え?何が?」
「何でもない♪」
ユウスケが賢者だと知ってから、私はシルビィに
モンスターとエンカウントするようにお願いした。
丁寧に、順番まで書き添えて…。
シルビィは「やれそうだよ。」と返してくれた。
なので、今日は「異世界のはざま」でデートってわけで。
そういえば、次のモンスターエンカウントまで
少し時間あるかな…。
「ねぇ、ユウスケ?」
「なに?
「せっかく公園だから、遊ばない?」
うん、これで普通のデートっぽい♪
「あ、ブランコだ!
一緒に乗らない?」
「うん、良いよ。
でも、異世界にもブランコあるんだ…。」
「あるよ~。
木に吊るしたやつとかで。」
こっちに来たけど、意外と共通点も多い。
違いすぎると、わけわからなくなるけど…。
「…そういえば…。」
「ん?」
「私ね、こっちの世界に来る前の日記…。」
「うん…。」
「最初、こっちに来るの、怖かったの思い出した…。」
「…。」
「あ、でもね、最後の日記書いた時には、
ユウスケに会いたい気持ちが勝ってたよ?」
「…。」
ユウスケは無言で下を向く。
あれ…なんか思い詰めてるみたいだけど…。
…って、公園にモンスター紛れてる!?
私はカバンの中からナイフを2本取り出す。
そして、モンスターに向かって構える。
「リノン!!」
「大丈夫!私が倒すから、心配しないで!」
「いや!あれ、モンスターじゃないから!!
遊具だから!!
公園の遊び道具だから!」
「え?」
私は恐る恐る、そのモンスターっぽいものに触ってみる。
とても固い。
「…固いモンスター?」
「違う!!
中に入って遊ぶ遊具だから!」
モンスターっぽいものの横をユウスケが指をさす。
見ると、大きな穴が開いていた。
「…倒された後の残り?」
「違う!
人が作ったもの!!」
「そう…なんだ…。」
「それと!!
そんな物騒なもの持ち歩かない!!」
ユウスケは、私の装備したナイフを指さす。
「え?
いつモンスターの襲来があるかわからないし…。」
「…ここは平和です。
それに、エンカウント中は向こうの装備使えるんじゃ…。」
「…そうだった…。」
「…警察に捕まるから、ナイフは持ち歩かないように…。」
「警察って、衛兵みたいな感じ?」
「まあ、そんな感じ…。
牢屋に入れられるよ…。」
ユウスケはため息を漏らす。
…牢屋に入れられるのはやだな…。
仕方が無いから、ナイフは持ち歩かないようにしよっと…。
「うん、わかった。
ナイフは持ち歩かない…。」
「…その他武器もダメだからね?」
「わかってる!!」
私はむくれてユウスケに返す。
武器はダメなことぐらい、わかったもん…。
「あ!」
「今度は何?」
「そろそろエンカウント来るよ~☆」
「え?」
「じゃあ、ユウスケ、手をつなご♪」
「ちょ、ちょっと待った!!!」
そして、本日2回目のエンカウント♪