デートは異世界の間で♪
世界は悲鳴を上げて、姿を変える。
「え?」
「うん♪エンカウント♪
異世界のはざまデート♪」
僕とリノンの体は光に包まれて、衣服が変わる。
リノンはドレス姿に毒針。
僕はローブに杖を持っている。
「これは?」
「装備を転送してもらったの♪」
リノンは分かるけど…なぜ僕まで?
「…来るよ!!」
リノンは詳しい説明もなく、鋭い目でモンスターを見る。
「なんか、固そうだね…。」
「うん♪最初にこの毒針使ったやつ~♪」
リノンは嬉しそうに言う。
「…。」
モンスターは物言わず、炎の魔法で攻撃を仕掛ける。
「うぁ!」
「ユウスケ、危ない!!」
リノンが身を呈して僕をかばう。
「リノン!!」
僕は叫ぶ!
あんな炎の直撃だ…普通では助からない。
「うん、平気だよ。
それより、ユウスケ、回復魔法使って?」
「回復魔法??」
「そう、念じると呪文が頭に、浮かび上がってくるはずだよ?」
言われた通り、意識を集中させると、
呪文が頭に浮かびあがってくる。
「いくよ、リノン!」
「うん!ありがとう!」
僕は回復魔法をリノンに当てる。
緑色のあわい光がリノンを包む。
「よし!」
そういうと、リノンはモンスターにとびかかる。
…が、モンスターも素早さがあるのか、早い。
リノンを飛び越えて、毒針を避けようとする。
「遅い!!」
リノンはそういうと、毒針をモンスターの急所に叩き込む。
「びしゃぁ!!」
モンスターは核を失ったかのように、体液をまき散らす。
そして、体液はリノンに降り注ぐ。
「これが、べとべとリノンです♪」
…うん、日記に書いてたね…。
モンスターが倒されると、僕の右腕が熱さを感じる。
僕の腕があわく光ってた。
「これがレベルアップだよ~。」
「へ?
レベル…アップ?」
なんで、僕がレベルアップを??
光っていたところには文字が浮かんでいた。
1から2へ。2から3へ…。
レベルは10まで上がった。
「ステータスも腕に刻まれるの。」
リノンは自身の右腕を差し出してくる。
そこにはステータスが刻まれており、
『勇者 Lv99』の文字も見えた。
慌てて僕は自分の右腕を見る。
「…賢者…Lv10…?」
「うん♪ユウスケは賢者だったの♪」
「…もう少しくわしく説明お願い…。」
「うん、だからユウスケもレベル99になってもらうの♪」
…答えになってない…。
それに、僕をレベル99に…って…。
世界はまたもとの姿に戻る。
…仕方がないから、家で続き聞こうかな…。