デートってどこがいいだろう?
「…。」
なんだか、寒気がしたのは気のせいだろうか…。
今日は終業式なので、ホームルームと全校挨拶で終わり。
僕は足早に帰ろうとする。
「よう!雄介!」
「やあ、大樹。」
「明日から春休みだな…。」
「そうだね。」
…そういえば、大樹には一番に、
リノンを紹介したいところだ。
どこで会わせるのがいいかな…。
カラオケ…は、リノンが無理そうだし…。
僕がそう考えていると、
そっと、大樹は耳打ちをしてくる。
「雄介は彼女で忙しいだろうけど…。」
「…まぁ…そうだけど…。
大樹には春休み中に紹介したいと思ってる。」
「ありがとう!
楽しみにしてるよ!」
「でも…どこがいいか…。」
「ゲーセンとかは?」
そっか、ゲーセンならいいかも?
「そうだね。
ゲーセンにしようか?」
「おう!じゃあ、開いてるときに連絡くれな!」
大樹はぐっと、親指を立てる。
「そういえば、彼女と春休みにどこに行くか
決めてないんだ…。」
「そっか…。
なら、雄介の好きな水族館に行ったらどうだ?」
…カラオケの事ばかりで、飛んでたや…。
水族館…約束してたもんな…。
「そういえば、行くって約束してたところなんだよ。」
「決まりだな!」
そうだ。
せっかくだから大樹にアイディア聞いてみよ。
「大樹だったら、彼女居たらどこ連れてく?
カラオケ以外で…。」
「そうだな…。
カラオケ以外かぁ…。
動物園、遊園地…今なら桜っていうのもあるな。
変化球で猫カフェとかかな?」
そっか…。
桜見て散歩も良いよな…。
「ありがとう、参考になったよ。
桜はいいね!
遊園地と猫カフェはちょっと高いかな…。」
「漫画喫茶のペアシートってのもあるぞ?」
「…いろんなところ行きすぎたら、散財しちゃうよ…。」
苦笑交じりに僕は答える。
バイト考えてたけど、今回はいいかなぁ…。
「じゃあ、またな!
連絡待ってるから!」
「うん、わかった!」
分かれ道。
大樹と分かれて、僕は家へと足早に向かった。