パジャマ!!
「うっ、う~ん…。」
「雄介、気が付いた?」
「ここは…。」
「家よ。
リノンが運んでくれたのよ?」
ん?
母さん、『リノン』って呼び捨て?
…それよりも…。
そっか…血と匂いで気を失ったのか…。
「ご飯用意できてるけど、食べられる?」
「うん、ありがとう。」
4人で食卓。
…なんか、慣れてきたなぁ…。
「「ごちそうさまでした。」」
リノンと一緒に食べ終わる。
「あ、お風呂借りてもいいですか?」
「遠慮しないで自由に使って!」
リノンは自分の部屋に入って、お風呂の準備。
僕は自分の部屋に向かう。
「…今日の事、ちゃんと聞かなきゃ…。」
ベッドに座りながら、今日の情報を整理する。
えっと…。
こっちの世界に、モンスターが迷い込んでいる。
天使様が封じ込めてるから、現実世界には影響がない。
「…情報これだけ?」
僕はため息交じりにつぶやく。
一人で情報整理しようとしたけど、無駄だな…。
どうやってリノンから聞き出そう…。
「コンコン」
「はい。」
「私…リノンだけど、入っていい?」
「いいよ~。」
リノンがドアを開けて入ってくる。
「!?」
え!?
ぱっ、パジャマ!?
「えへへ☆
今日、お母さんと買い物に行ったの♪」
「そ、そうだったんだ…。」
「ねぇ、似合う?」
「か、可愛いよ…。」
…似合ってるよ…。
てか、その姿で僕の部屋に来るとは…。
「うん♪うれしい♪
ほかにもね、洋服買ってもらったの!」
「そ、そうなんだ…。
「あと、靴も。
スニーカーって言うんだってね?
…前言ってた、ストーカーって、これ?」
「…そのことは忘れてくれ…。」
苦笑い。
「ねぇねぇ、本当に可愛い?」
リノンは僕のベッドに横になる。
そして、見上げて聞いてくる。
…その格好…。
「…ずるい…。」
「ん?」
「何でもない…。」
僕は顔のほてりがひかない…。
リノンはいたずらな笑みで、こっちを見てくる。
「目ぇそらさないでよ?
しっかり見てね♪」
…直視できるか!!
その体勢だと、胸元が…。
「ふふふ♪」
リノンはさらにいたずらな笑みになる。
「ユウスケ、捕まえた♪」
僕の膝を枕にして、抱き着いてきた…。
…リノン…僕をどうしたいんだよ…。
「ね~ぇ…ユウスケ。」
「な、なに??」
「頭なでて♪」
「へ?」
「撫でてくれると、眠れる気がするの…。」
僕はそっと、リノンの頭を撫でる。
シャンプーのいい香りがする…。
「えへへ☆」
リノンはとても満足そうな顔をする。
「ふあぁぁ…。」
リノンは大きなあくびをする。
「うん…眠くなった…ありがとう♪」
「…良かった…。」
「じゃあ私、寝るね。
ユウスケのぬくもり持ったまま寝るんだ♪
おやすみ~☆」
「…お休み…。」
リノンは自分の部屋に戻っていく。
…何も聞けなかった…。
そして。
僕は眠れなくなった。