ユウスケは賢者!?
また世界が割れる。
そして、現実世界へと戻ってくる。
クマから浴びた血…きれいに消える。
…そっかぁ…こっちからすると異世界のものだもんね…。
消えちゃうのか…。
「ユウスケ!!」
倒れこんでしまったユウスケを抱きかかえる。
…血を見て、失神したのかな…。
大丈夫そう。
仕方ない…家まで負ぶっていこ…。
「よいしょっと。」
…うっ…ユウスケの顔が近い…。
がまん、がまん…。
時々通り過ぎる人から、ガン見されるけど…。
まぁ、仕方ないかぁ。
ステータス高いから、ユウスケも軽いのよね…。
出来るだけ、人目避けよっと。
家に着き、チャイムでお母さんにドアを開けてもらい、
家に入る。
「あら!ユウスケ!どうしたの?」
「ちょっと…のぼせちゃったみたいで…。」
「まだ春なのに…仕方ないわねぇ…。」
お母さんに手伝ってもらって、
ユウスケをソファーに寝かせる。
「お母さん、ユウスケさんの事お願いできますか?」
「いいわよ。
リノンは休んでて?」
「ありがとうございます。」
私の部屋に入り、日記を書く。
・・・・・
シルビィへ。
終わったよ!
そっちの様子はどう?
ユウスケも連れて行ったけど、
何の意味があったの?
リノンより。
・・・・・
日記は光り、シルビィの日記に転送される。
また光り、シルビィの書いた内容が転送される。
…シルビィ…早いよ…。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
ありがとう!
今日ので色々わかったことがあるんだ~。
まず、こっちの装備をはざまに、
送ることが出来そうって。
しかも!!
送った装備は、お姉ちゃんがはざまに行くと、
装備済みになるんだって!
あと、お兄ちゃん。
どうも、そっちの世界の人が、
戦力になるか確かめたかったんだって。
そしたらね、お兄ちゃん「賢者」だったんだよ!!
お姉ちゃんと一緒に戦えるかも?だって!
じゃあ、またお願いするね!
シルビィより。
・・・・・
え?
ユウスケが一緒に戦えるの?
嬉しいかも?
じゃあ、ちょっとお願いしてみよ。
・・・・・
シルビィへ。
うん、わかった!
じゃあ、ユウスケ用に賢者の最高装備送って?
それと、私の毒針とドレス。
お願いね~!
リノンより。
・・・・・
これで良しっと。
夕ご飯まで、私は音楽を聴きながら
勉強することにした。