血まみれりノン再び。
「パリィィン!!!」
ガラスの割れるような音から、
僕たちの目の前が別の景色に変わる。
「リノン、ここは?」
「異世界のはざま…らしいわ。」
「異世界の…はざま?」
「うん、天使様がここで戦うようにって。」
そういうと、リノンはカバンから
ナイフを取り出し、両手に装備する。
…あれ?
そんなカバン持ってたっけ?
「そのかばん、どうしたの?」
「お母さんに買ってもらったの♪
服も買ったから、これが終わったら見せるね~♪」
リノンは嬉しそうに言う。
…って、モンスターとエンカウント
してるんじゃなかったっけ?
…のんきにカバンの話しをした僕が悪かったけど…。
「リノン!モンスターは?」
「そこね…。クマみたいね…。」
リノンの目が今まで見たことのない鋭さに変わる。
…本当に勇者だったんだな…リノンは…。
クマはリノンに向かって威嚇してくる。
リノンは…あれ?いない…。
って、もうクマの懐に!?
素早い動きでクマの喉笛を掻っ切る。
で、一回転して、今度は胸に2撃…。
「グォォォ!!」
クマの悲痛な叫び。
それを無視してリノンは攻撃を重ねる。
「とどめ!!!」
クマの心臓に一撃。
クマは悲鳴と血しぶきをたてて、
絶命する。
…血まみれリノン、完成。
「ユウスケ、どうだった?」
リノンが笑顔でこっちに話しかける…。
「あはは…すご…かった…よ…。」
バタ。
不甲斐なくも、
僕は大量の血と香りで、倒れてしまった。