スマホの操作
…そう、僕はリノンの責任を取らなきゃいけないんだ…。
見知らぬ世界に、リノンを呼び出してしまった、
僕の責任…。
どんなことがあっても、絶対に守り抜くから…。
「レベル99の勇者を守るって…なんか変だな…。」
そうつぶやく。
普通のRPGでは、僕は勇者に守られっきりだろう。
でも…今リノンは一人の女の子で…。
僕ら以外は誰も知らない世界に居るのだから…。
「本当…リノンは強いなぁ…。」
僕と同い年の女の子。
異世界では勇者として…レベル99まで上げて…。
魔王を倒して、裏エンディングまで…。
僕にそんなこと出来るだろうか…。
「しかも、毒針とドレスでね…。」
…なんだかか笑しくなってきた…。
リノンらしいけど…。
ゲームのRPGだったら、どんな縛りプレーなのさ!
てか、リアルでやるなよ…。
「ピロォ~ン」
あれ?スマホにLINEのメッセージが…。
誰からだろう?
あっ、リノンだ。
「ゆうすけなむらねい」
…フリック慣れてないのかな?
「眠れない」って書こうとしたのかな?
スマホも慣れてもらわなきゃだし…。
じゃあ、練習って感じで!
「どうして?」
「さましえ」
「寂しい」かな…。
「僕もだよ。少し話そうか?」
「うん」
「どうすれば眠れそう?」
「かまりあたうたつて?」
「子守歌」だな…。
「じゃあ、僕の知ってる歌うたうね」
「うん」
「ゆ~りかごのう~たを~」
既読が付く。
返事が来ない。
もっと歌えばいいのかな?
「か~なりあ~が~う~たうよ~。」
「ユウスケ」
「どうしたの?」
あれ?
カタカナだ…。
「うん、スマホ慣れてきた」
…早くね?
無言だったのは、スマホの操作試してたのかな?
「早いね」
「うん、色々触ってみたの」
「に、しても早いよ」
「これで、ユウスケといつでも話せるね♪」
…慣れるの早すぎだろ…。
「そろそろ眠いけど、いい?」
「うん、私も眠くなったから大丈夫だよ。ありがとう!」
「うん、じゃあおやすみ!」
「お休み~(-_-)zzz」
…いや、慣れすぎだろ…。