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なかなか好きっていえない…。
僕たちは何も言えずに抱き合っていた。
僕の両親は今は外出してる。
交換日記とはいえ、告白しあった仲だからだろうか?
いつまでもこうして居たいと思ってしまった。
「ねぇ…ユウスケ…。」
「なに、リノン…。」
「日記で言ってたこと…。
言ってほしいな…。」
「…。」
「…。」
日記では書けていたけど…。
目の前にして「大好き」って、言葉が出ない…。
「もうちょっとまって…。」
「…うん…。」
リノンは待ってくれる…。
「日記では書けてたけど、言葉に出すのって…。」
「…私…待つよ…。」
「リノン…。」
「なあに?」
「だっ、だっ…。」
「…。」
「リノン、好きだよ!!」
意を決して、大声で叫ぶ。
「…私もだよ…ユウスケ…。」
この後は、しばらく言葉はいらなかった。
二人の時間をゆっくりと…。
会えなかった時間を埋めるように…。