おつかれちゃん
お疲れなともこさんに気がついたともくんはどうする?
今日も暑いのと、ハードスケジュールで部屋に着いた時はぐったりだった。
とりあえず、シャワーで汗を流して、ラフな部屋着に着替えてソファーで横になっていた。
交際中の彼氏は私の部屋の合鍵を持っているから、チェーンさえかけていなければ大丈夫。
あまりの疲れで私はウツラウツラとして海に体に浮かべている様な気分になった。
「ともこさん?ともこさん?アレ…ソファーで寝てるや」
「このままじゃ体冷やしちゃうから…大きめのタオルでもいいかな。肩とお腹が冷えたら大変」
「折角気持ち良く寝ているから…起きるまで俺は見つめててもいいかな」
夢なのかな?彼が私の側にいてくれているような気がしてきた。
確かソファーの側にはひざかけ替わりの大判のバスタオルがあった気がするけど…
私はタオルかけてソファーで寝ていなかったよね…ってことは、彼がいるんだ。
私は現実に強引で引き戻されて慌てて体を起こした。
「おかえり。ともこさん。鍵を開けて入ったよ」
「いいのよ。その為に渡したんだから。気にしないで」
私は彼に向って微笑む。少し体を休めたせいか、すこし疲れが取れたような気がする。
彼はそんな私をじっと見ていた。どうかしたのだろうか?
「ともこさん?無理してない?体丈夫じゃないんだから…ほらっ、ここに座って。一緒に休もう」
私は彼にお茶を出そうとして支度をしていたのだけど、腕を取られて結局ソファに座らされる。
「大丈夫だよ。自分の体は自分なりに分かっていると思うけどな」
「でも…こないだは風邪をこじらせたばかりだろう?だめ。もっと俺に寄りかかっていいんだよ」
「十分…寄りかかってるわ」
横に座っている彼に寄りかかる。他の人の体温は苦手だったはずなのに、彼だけは平気なのが不思議だ。
その事に気がついて、私はクスリと笑った。
「どうしたの?ともこさん?」
「私今までは、他の人と体がくっつくのって苦手だったの」
「うん」
「でも、ともくんだけは平気みたくって嬉しくなった」
「そっか。そう言うこと…もっと俺に教えて。俺も嬉しくなりたいから」
彼の大きな手が私の頭を優しく撫でる。
これだけで今の私は十分幸せ。これってささやかな贅沢だと思う。
こういった幸せをもっと彼と共有したいなぁと思うのだった。