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クロリス-2

「なるほど。胞子が防火していたから燃えなかったのか。つまりツタ自体に防火性能はない。」


「じゃあ水で流してから焼けよ。」


「あ〜そんな手間なこと。

コストのことを考えてください。」


「そうです。手間がかかり過ぎている。水をかけて流してもさらに火炎放射の量が必要になる。それに、それを何回繰り返せば、コアに辿り着くと思ってるんですか。」


「もうミサイルぶっ放せよ。」


「市街地です。無理言わないでください。」


「じゃあ、どうしろと。」


「この量の胞子をどかすのはさすがに骨が折れます。」


「にしても、凄まじい成長ですね。」


「ああ。さっき届いた報告書では、川の下流からコアがツタを伸ばしているが、その大半は川の水から作った有機物だ。」


「もういい。費用がかさむがテアを出動させろ。」


「そんな投げやりな、」


「それはやめた方がいいですね。」


「どうしてだ。田辺。」


「テアはツタを切る能力が長けているとは言えないし、ツタで絡まれたら身動きが取れない。コアに到達するまで200m。挙げ句の果てには川もあって要塞化されています。」


「テアは川を越えられないですからね。」


「使えねぇな。」


「熱射もテアも無理か。」


「宮部さん。どうします。」


「う〜ん。あっそうだ。川に毒を流してやればいいんじゃないか。」


「何いってんですか、それ川の環境ぶち壊しますよ。やったら後で相当バッシング来ますし。」


「胞子の防火性能を無視できるとはいえ、」


「じゃあ、ツタから流せば。」


「あ!なるほど。」


「ツタから毒を流せば、川には流れず、体内に毒が回る。ってことか。」


「これなら胞子は関係ないです。」


「一時間もらえれば毒は用意できます。」


「よし。やれ。」







「毒。注入開始!」


「今回は除草剤に即効性を持たせた簡易的なやつです。根を張って栄養を得ているわけではないので、ツタに毒が回るようにしました。」


「これは効くだろ。」







「これ、凍らせたらどうなるかな。」


久保は一人ツタの上にいた。


雲ひとつない空から雪のような胞子が降る光景はまさに幻想的。クロリスの中心の花はまるで…。


そんなことを思っていると、

『プルルル』


「どうした。田辺。」


「久保。作戦部がツタに毒を流した。毒の流れたツタが、のたうち回るかもしれん。」


「了解。一旦下がるわ。」


「よし、切るな。」


「いや待て。おそらく毒は効かない。」


「な、何だって。」


「胞子の中にplc、怪獣の血液が確認された。」


「それが何だっていうんだ。」


「怪獣は血液ではなく、胞子でエネルギーを供給している可能性がある。

だからお前の方で毒がうまくいかなかった時のための作戦を立てとけ。」


「了解。」


「って、やべえ、荒川が氾濫してる。俺んとこまで水きてんだけど、

なっ!」


「ジャポン!」


映像が胞子まみれの水に突っ込む。


「大丈夫か!久保!」

『まずい!』


「ツーー、ツーー、」

ほんの数秒で映像も途切れた。


「今救助ヘリを送る生きててくれ。」

『いや待て。あの水深もしかして…。』





「毒注入から30分経過!」


「毒、蔓延してません。」


「なぜだ。」


「何ヶ所からか毒を入れましたけど、毒を入れた部位の成長が止まって終了。トゲのところから新しいツタが生えただけ。」


「毒を検知するとそこの血流が止まるってことか。」


「焼くのも、毒も、ダメ。」


「まずいですね。怪獣発生から4時間経過。進展なしですね。」


「すみません。報告します。」


「なんだよ。田辺。」


「荒川、ツタにより氾濫!。またツタの成長がもうすぐ避難地区を襲います。避難地区が浸水するのも時間の問題です。」


「なんだって。」


「クロリスの成長が半径300mを超えてます。正直手詰まり感ありますね。」


「それなんですけど、もうちょっと伸びたら避難地区に到達しちゃいます。」


「タイムオーバーだな。」



「宮部さん…」



「…。」「…。」



「…あります。」



「なに?」



「コールドリミット作戦。を具申します。」

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