表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/59

そして……

 それから月日が流れ……3年後。

 

 真凜と真はそれぞれ進学し、真凜は演劇の大学へ、真は法学部のある大学へと進んだ。


 2人は両親の許しを得て学生結婚をした。そんな2人は夏季休暇を利用して、バイトをして貯めたお金でヨーロッパへ来ていた。


 その少し前2人は、前世の記憶を頼りに、色んな土地の風景写真を見ながら、住んでいたフランスの土地を見つけようとしていた。そして、2人はようやくフランスの片田舎の町を見つけた。


 市の図書館にいた2人は大きなテーブルにある椅子に座り、寄り添い合いながら、小声で話をする。


「ねぇ、ここじゃない?」


「え?」


「私達のいた所」


 真凜が指を差した所を真はのぞき見る。


「あ、本当だ……当時の風景と似てる。今は、何百年経っているけど……」


「ワインが美味しい土地かぁ……」


「夏休みに行こうか?」


「うん。お金も貯まったしね」



* * *



 フランスに着いた2人はバスやタクシーを乗り継ぎ、エドワーズのいた城を見学した。今は観光名所になっている。


「懐かしいなぁ」


 真は城の中を歩きながら呟く。


「そうだね、私はお城に来たのは庭園に来たきりだけど」


「ああ、そっか。僕は生まれ育った場所だからね」


「そうだよね、エドワーズ様には懐かしい我が家だもんね」


「うん」


 真は廊下を歩きながらロープで仕切られた立ち入り禁止の王座を見つめる。


「王様になってからどんな生活だったの?」


 何気なく真凜が尋ねると、真は目線を床に落とし口をつぐんだ。


「王として……国を守る為に僕は……」


 重い口を開こうとする真に真凜は話題を変えようとする。


「真くん、あそこに扉があるよ?」


「え? いや、そんな所に扉なんて、なかったはず……」


「え? そうなの? 新しく作られたのかな?」


 木造で出来てる古びた大きな扉は、城にしっかりと収まっていてしかし、誰も見向きもしない。


 足が扉の方へ吸い込まれるように引きつけられ、真凜は扉へ近付いて行った。


「待って、真凜さん! 何か嫌な予感がする!」


「え? 大丈夫……」


 真凜が扉に触れたその時、扉が勢いよく開き真凜と真は扉の向こうへ放り出された。


「え?」


「うわっ」


 2人は地面に倒れ込むと見慣れた光景を目の当たりにした。


「え? 嘘? まさか……また?」


「ええ……? 僕達の体ごと来ちゃった?」


「どうして?」


 2人が現れた場所は、馴染みのある中世のエドワーズの城の近辺。しかし、通る人は真凜と真に視線を向けもしない。


「ねぇ? 真くん」


「何?」


「私達の姿……皆に見えてないのかな?」


「試しに声賭けてみる?」


「うん」


 真はそう言うと通る人に声をかける。


「すみません」


 近付いて声をかけるものの、声をかけられた人は通り過ぎてしまう。


「やっぱり……これ、どうなってるの?」


「そうだよね……今までは意識だけだったのに……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ