そして……
それから月日が流れ……3年後。
真凜と真はそれぞれ進学し、真凜は演劇の大学へ、真は法学部のある大学へと進んだ。
2人は両親の許しを得て学生結婚をした。そんな2人は夏季休暇を利用して、バイトをして貯めたお金でヨーロッパへ来ていた。
その少し前2人は、前世の記憶を頼りに、色んな土地の風景写真を見ながら、住んでいたフランスの土地を見つけようとしていた。そして、2人はようやくフランスの片田舎の町を見つけた。
市の図書館にいた2人は大きなテーブルにある椅子に座り、寄り添い合いながら、小声で話をする。
「ねぇ、ここじゃない?」
「え?」
「私達のいた所」
真凜が指を差した所を真はのぞき見る。
「あ、本当だ……当時の風景と似てる。今は、何百年経っているけど……」
「ワインが美味しい土地かぁ……」
「夏休みに行こうか?」
「うん。お金も貯まったしね」
* * *
フランスに着いた2人はバスやタクシーを乗り継ぎ、エドワーズのいた城を見学した。今は観光名所になっている。
「懐かしいなぁ」
真は城の中を歩きながら呟く。
「そうだね、私はお城に来たのは庭園に来たきりだけど」
「ああ、そっか。僕は生まれ育った場所だからね」
「そうだよね、エドワーズ様には懐かしい我が家だもんね」
「うん」
真は廊下を歩きながらロープで仕切られた立ち入り禁止の王座を見つめる。
「王様になってからどんな生活だったの?」
何気なく真凜が尋ねると、真は目線を床に落とし口をつぐんだ。
「王として……国を守る為に僕は……」
重い口を開こうとする真に真凜は話題を変えようとする。
「真くん、あそこに扉があるよ?」
「え? いや、そんな所に扉なんて、なかったはず……」
「え? そうなの? 新しく作られたのかな?」
木造で出来てる古びた大きな扉は、城にしっかりと収まっていてしかし、誰も見向きもしない。
足が扉の方へ吸い込まれるように引きつけられ、真凜は扉へ近付いて行った。
「待って、真凜さん! 何か嫌な予感がする!」
「え? 大丈夫……」
真凜が扉に触れたその時、扉が勢いよく開き真凜と真は扉の向こうへ放り出された。
「え?」
「うわっ」
2人は地面に倒れ込むと見慣れた光景を目の当たりにした。
「え? 嘘? まさか……また?」
「ええ……? 僕達の体ごと来ちゃった?」
「どうして?」
2人が現れた場所は、馴染みのある中世のエドワーズの城の近辺。しかし、通る人は真凜と真に視線を向けもしない。
「ねぇ? 真くん」
「何?」
「私達の姿……皆に見えてないのかな?」
「試しに声賭けてみる?」
「うん」
真はそう言うと通る人に声をかける。
「すみません」
近付いて声をかけるものの、声をかけられた人は通り過ぎてしまう。
「やっぱり……これ、どうなってるの?」
「そうだよね……今までは意識だけだったのに……」




