日曜日
真凜と真が約束したデートの日。真凜は目覚ましのアラームに気付かない。
「ピピピッ、ピピピッ」
深い眠りに入っている真凜はノックの音に起こされた。
「コンコンコン」
「真凜」
母親がドアをノックしている。
「ん……」
「真凜、起きてるの?」
「……うん」
返事は母親には届かない。
「入るわよ」
母親はドアを開けると気持ちよさそうに寝ている真凜の姿を見つけた。
「真凜、柏木くんが来てるわよ」
その声は真凜の耳に届いたのか、真凜は勢いよく飛び起きた。
「え? 真くん?」
母親は軽くため息を付きながら答える。
「今、下で待ってもらってるから」
「ありがとう、お母さん!」
真凜は急いで着替えて顔を洗い、リビングにいる真の前に姿を現した。
「お待たせ、真くん。ごめんね、待たせて」
「真凜さん」
リビングで待っていた真は真凜を見ると立ち上がった。
「綺麗です……」
真凜は流行りのワンピースに身を包み、ヒラヒラとスカートが揺れ動いていた。
「あ、ありがとう」
何となく照れくさくなっていると、匠が口を挟んで来た。
「俺もいるの忘れてない?」
「おっ、お兄ちゃん?!」
「匠さん!」
2人はお互いのことしか目に入っていない為、同じ部屋にいる匠に気づかなかった。
「そういうのはさ、2人でやってよ」
苦笑いしながら匠は言う。
「……っていうか、2人だと思ってた」
「すみません、匠さん……」
「ああ……良いよ、良いよ、俺ももう出かけるし」
「え? お兄ちゃんもデート?」
「そう」
そう言いながら匠は真凛に向かって笑った。
「僕達も行きますか?」
* * *
真凜の自宅から最寄り駅へ行き、電車を乗り継ぎ15分ほど。映画館のある駅へ着いた。
中へ入ると日曜日ということもあり、男女のカップルや友達連れ、小さな子供を連れた家族などがいた。
真凜達は受付へ行き、チケットを2枚購入した。
「どうする真くん? 何か飲む?」
「そうですね……少し寒いですから、温かいもの……ココアにします」
「私はどうしようかな~? 私もココアにしよう」
「あ、僕注文しますよ」
真凜が注文しようとすると、真が隣から口をはさんで来た。
「え? いいの?」
「はい。すみません!」
「はい」
店員の女性がにこやかに対応してくれる。
「ココア2つお願いします」
「サイズはいかがなさいますか?」
「私はМが良いかな」
「僕もМでお願いします」
「Мサイズ2つですね。かしこまりました」
店員の女性が用意してくれたココアを真が受け取ると、真凛に手渡す。
「はい、真凜さん」
「ありがとう」
「いいえ」
真は真凜の嬉しそうな笑顔を、優しげな瞳で見つめた。
* * *
映画が始まると真凜と真は食い入るように画面を見始めた。場面が進んで行き、主人公のタイムリープをした少女が、その時代の青年と恋に落ち、デートをする場面だ。
「うん」




