目覚め
「そう。真凜と添い遂げてほしい」
真はその言葉を真摯に受け止める。
「分かりました。僕はまだ結婚出来る年齢ではありませんが、いつかきっと叶えます」
その言葉を聞くと安心したようにエドワーズは頷いた。
「頼んだよ。さぁ、そろそろ戻らないといけないね」
そう言うと真にエドワーズは一歩ずつ近付き、抱きしめる。
「エドワーズさん?」
「僕の意識と真の意識は1つになるんだ」
そう言うと真とエドワーズの体が光り始め、体の形がなくなり1つの光の塊になった。その光は真の体へと吸い込まれて行く。
* * *
病院に泊まった真凜は、恵美と匠と一緒にいた。待合室にいた3人はうつらうつらしていたものの、真凜が先に目を覚ました。真のいる病室へ入ると椅子に座る。
穏やかな顔で眠っている真の顔を見つめていると、瞼が微かに動いた。
「え?」
うっすらと瞼が開き、その瞳は真凜の姿を捕らえた。
「……マリア。遅くなってごめん……迎えに来たよ」
真凜に向かって穏やかな瞳を向けながら話すその口調は、エドワーズそのものだった。
「エドワーズ様……」
真凜は大粒の涙をこぼしながら微笑んだ。
2人はようやく長い時を超え、再会を果たした。
それから真凜は、しばらく入院することになった真の病室に通っていた。
「傷口痛む?」
真凜が尋ねると真は軽く刺された辺りをさする。
「まだ少し」
「だよね……早く痛くなくなると良いね」
「はい」
その時病室のドアが突然開いた。
「柏木さん?」
「はい」
入って来たのは看護師で真凜を見るなり嬉しそうに微笑んだ。
「あら? 彼女?」
「まだ、違います」
真は慌ててそう言う。
「そうなの? 美男美女でお似合いなのに」
看護師は笑いながら真と真凛に告げた。
「ありがとうございます」
真と真凛はそろって返事をした。
「仲良しね〜」
「そうそう、柏木さん、先生がね、退院の話がしたいんだって」
「分かりました」
「あ、じゃあ私は帰るね」
「はい、いつもありがとうございます」
「ううん、じゃあ、またね」
「はい、また」
後になって真凜と真は、あのストーカー男子は精神的に病んでいた為、警察との話し合いの末、引っ越しをして他県に行ったと聞いた。
* * *
「これで一安心ですね」
「うん」
部活帰りに真は真凛に話しかける。2人で帰るのは皆の公認になっている。
真は無事に退院をして、部活に励んでいた。秋の公演まであと一ヶ月。
真凜と真は部長に掛け合い、結末を真凜と真の変えた結末にしたいと申し出た。部長はその結末も良いかもね、と承諾してくれた。




