決意
マリアとエドワーズはお互いの父親から、結果を聞かされた。変わらない現実に2人は打ちひしがれた。しかし、マリアは前向きに考えた。
朝日が窓から差し込んで来る。眠ったのか眠っていないの分からないまま、マリアは目を覚ました。
――朝。起きないと……。せっかくあがいてみたのに、エドワーズとマリアの現実を変えられなかった? マリアの望みは何なの?
ベッドに横たわったまま、マリアは考えていた。
「失礼します」
ノックの音と共にミミが入ってきた。
「お目覚めですか?」
「ええ」
「眠れましたか?」
「ええ、少しは」
「朝食の用意が出来ておりますが、こちらでお召し上がりになりますか?」
「……そうね、今日はそうするわ」
何となく両親にこの浮かない顔を見せたくない為、マリアは自室で朝食を取ることにした。
* * *
マリアはぼんやりしながら朝食を口に運び、食べ終えたマリアはミミに聞いてみることにした。
「ねぇ、ミミ」
「何でしょう?」
「エドワーズ様に会えないかしら?」
「……お嬢様。とてもお辛いでしょう?」
「ええ。こんなに誰かを愛したのは初めてなのに、結婚することも叶わないなんて……」
俯いたマリアは溢れそうになる涙をこらえた。
「マリアお嬢様。私はずっとマリアお嬢様の味方です。お嬢様が嫌だと言っても離れませんからね」
「……ミミ。ありがとう」
こらえたはずの涙はあっという間に流れ始めた。
「良いんですよ、今は。思う存分、泣いて下さい」
数時間経ち、マリアは泣き腫らした目をしながらミミと会話をしていた。
「お嬢様、実は。今度エドワーズ様のご婚約の式典がごさいます」
「……ええ」
「その時にエドワーズに会わせて差し上げます」
「そんなこと出来るの?」
「実は、ジャクソンさんとお話したんですよ」
「ジャクソンさんと?」
「はい。お2人が何とかお話出来ないかと相談させて頂きました」
「ミミ……ありがとう」
「いいえ。このようなことしか出来ませんが……」
「そんなことないわ! 充分過ぎる位よ!」
「お嬢様……」
「私ね、くよくよするのは止めるの。ほら、ミミに教わって出来上がった刺繍のハンカチがあるでしょう?」
「はい」
「それをエドワーズ様へお渡しするわ」
「そうですね、喜ばれると思います」
「ええ。私は私で幸せに生きるわ。エドワーズ様に不幸になった私を見せたくないもの」
これはマリアと同化している真凜としての強がりでもあり、本心でもあった。マリアが病死したのは、心労から来るものであった為だ。例えエドワーズと離れていたとしても……。
「とてもご立派です。お嬢様」
ミミは慈愛に満ちた眼差しでマリアを見つめた。




