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再び

「行こう」


 駿は当然のように真凜の手を握った。


「うん」


 振りほどくわけにも行かず、真凜はそのまま手を握られていた。しばらく人混みをかき分けながら歩くと、屋台が見えてきた。


「何か食べる?」


「たこ焼きが食べたい」


「買ってくる」


 駿は真凜の手を離し、真凜はようやく解放された。さやかはさやかで真にべったりしている。真凜はそれを見たくなくてあまり真を見ないようにしていた。


――本当に告白……するのかな? 柏木くんはどうするんだろう?


 モヤモヤした気持ちを抱えながら、真凜は戻って来た駿にもらったたこ焼きを食べていた。


 良い場所を探そうと皆で再び歩き出し、今度は駿は手を握らずに前を歩いていた。さやかは何故か菜帆と一緒に歩いている。何やら話しているようだ。


「さやかちゃんさ、真凜の為に身を引かない?」


「引きません。何で私が身を引かないといけないんですか?」


「そりゃあ、柏木くんと真凜に上手く行ってほしいから」


「ずるいですよ、真凜先輩と友達で仲良いからって私に牽制するなんて」


 さやかは口を尖らせ抗議をする。


 

 真は真凜の隣を歩いている。少し元気のない真凜を気遣い声をかけてきた。


「先輩、大丈夫ですか? 疲れました?」


「ううん、大丈夫」


「少し休みましょう?」


「え? 大丈夫だよ」


「疲れた顔してますよ」


「え? 噓?」


「どこか座れそうな所……」


 真が歩きながら辺りを見渡すとベンチが見えた。


「あ、あそこにベンチがありますよ」


 あまり人気(ひとけ)のない所にベンチがポツンと設置されている。


「座りましょう」


「うん、ありがとう」


 真凜はうながされるまま座った。


「いいえ。もっと頼ってください」


「え?」


「先輩、自分から辛いって言わないじゃないですか?」


「あ……そうかも」


「だから、せめて僕にだけでも頼ってほしいです」


「うん、ありがとう、柏木くん」


「ちょっと待ってて下さい。飲み物買って来ますね」


「え? 私も」


「良いですから。すぐ戻りますから、座っていて下さい」


 真はそう言うと屋台に飲み物を買いに走って行く。真がいなくなると同時に真凜の近くに人が近づいて来た。ふと見上げると、例のストーカー男子がいた。


「やっと会えたね」


 背筋が凍りついた真凜は、咄嗟に逃げようと立ち上がる。しかし、手首を掴まれてしまう。


「やめて」


 恐怖の余り声が出ない。


――助けて! 誰か!

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