第十二話 妹(自称)と女友達と過ごす夜に②
四月八日、二十時頃────
ああ…想像するだけで、僕の大事なところは限界だ。これから、僕と朱梨さんと英莉菜の三人でお風呂場へと入るのだが、女子二人組は洗面台の前で顔をクレンジング中だ。
二人とも肌が白すぎて紫外線に弱いらしく、日焼け対策のUV下地をベースに、すっぴんメイクってやつをしているらしい。
因みに、お風呂場は家の一階の奥にあって、その手前が脱衣所兼洗面所になっていて、洗濯機も置いてある。我が家の洗面台は横長の為、二人並んで朝の支度ができる。
お風呂場で僕は女子二人組に何をされるのだろうかと、夕飯を食べている時からビクビクしている。まぁ…僕の大事なところも、ずっとそんな調子なのだが。
もし万が一、何か起きても僕の責任ではない。僕をこういう気分にさせている朱梨さんと英莉菜の責任だ。さっきあれ程言われたのだ、それくらい心の中では言わせて欲しい。
「朱梨さんが良ければ…金曜日もお泊まりしない?」
「えっ!?い、良いの?!嬉しいけど…ご両親のご迷惑じゃないかなぁ…?」
「じゃあ…夕飯はお外で食べてくるってことで、どう?あ、勿論お兄ちゃんの奢りで。」
朱梨さんが僕の家に泊まりくるのは…正直言ってかなり嬉しいけど、英莉菜は本当にそれで良いのか?どんどん自分を不利な状況に、追い込んでないのか?英莉菜の中では、何か思惑でもあるのかもしれないが心配になる。
「またかよっ!!たまになら…別に、良いけどさ?」
「お兄ちゃんっ!!金欠な可愛い妹に愛の手をぉ…!!じゃないと、可愛い妹が…おじさんの相手させられるところ…お兄ちゃんは想像できる?」
「うわ…っ?!暁人くん…酷いよ!!英莉菜ちゃんに…パ○活でもさせるつもり!?」
あー。なんか、疲れてきたよ僕。ひたすら二人から殴り続けられてる感じする…。この二人と居たら、ずっとこの調子続くのか?
「ゴメン!!お兄ちゃん、ゴメンね?冗談だよぉ…?ねっ?機嫌直して?」
──ムニュッ…
──チュッ…
いかにも絶望って表情になってたみたいだ。急に英莉菜が謝り出したかと思ったら、部屋着で抱きついてくると僕の口にキスしてきた。
あれ…?英莉菜とキスするの初めてかもな。クレンジングしたばかりなのか…濡れていて口紅感も全く無くて、凄く柔らかな感触だった。口紅感がなんで分かるかは、結以さんに小さい頃よくキスをせがんだからだ。
それと…身体に当たる英莉菜の胸の感触…恐らくブラを外しているようで、ダイレクトに伝わってくる。これは…僕の大事なところにかなりきている…。恐らく…覚醒モードに移行してしまっている。
「英莉菜ちゃん…ズルい!!ズルすぎるよ!!」
「さ、さて…もう風呂、入ろうぜ?」
まてまてまてまて!!何言ってんだ僕は!!今、部屋着脱いだりしたら…英莉菜の言うバケモノがコンニチハしてしまう!!
「(お兄ちゃん?私の身体にね…?バケモノ当たってるよ?朱梨さんに、バケモノの凄さ見せつけてあげて?)」
ばかばかばかばか!!でも…いつか目の当たりにする日が、このまま付き合っていれば来るんだよな?それが原因でやむなく別れたって話があるって聞くし、交際初日でダメならダメで別れた方がお互いに傷口が極小で済みそうだよな…。これも僕に告白してくれた朱梨さんの為だ…。
「英莉菜、悪いな?少し離れてくれるか?」
「あ、う、うん…。」
──ズッ…ズズズズッ…パサッ!!
意を決した僕は、部屋着のジャージのズボンと下着のボクサーパンツをいっぺんに掴むと、勢いよく下までおろした。
「キャッ…!?え…っ?!え…?ええええっ!?暁人くん…に、人間…だよね?そ…それぇ…!!」
「あれあれあれあれぇ…?朱梨さん、怖気付いちゃったのぉ…!?お兄ちゃんのぉ…バ・ケ・モ・ノにさぁ…?わ、私ならぁ…お、お兄ちゃんへのぉ…あ、愛で…う、受け止められるよぉ!!」
実際、英莉菜も結構ビビってる感じがするな。と言うか…この前一緒に風呂入った時より、自分でも覚醒度合いが激しい感じがしてる…。もう…覚醒と言うか…超絶進化だろうな?全長で500ミリのペットボトル、全幅で交通系ICカード程あるんだから。
「僕のこれ…見てさ、朱梨さんが無理だと思ったら、これ以上お付き合いするのやめておかないか?と思って、見てもらったんだが…どうかな実際の話。全然、無理しなくていいよ?いくら好き同士でも適合しなくて、別れるとかあるみたいだからさ?」
「あ、あの…。言い辛かったんだけど…ね?わ、私のママ…ね?じ、実は…ね?周りには秘密にしてるんだけど…ハード系人妻美魔女モノで人気なセクシー女優してるんだ…。だ、だから!!わ、私も…そのセクシー女優のママの血をひく娘だよ?だ、大丈夫に決まってるじゃん!!でも、暁人くん…嫌だよね?そういう血が流れてる女なんて…。」
なるほどなるほど。なんて芸名のセクシー女優さんなんだろうかと…気になってしまう。ああ、いけないいけない。別に僕は何の抵抗もないし、差別もしない。世の中の男性達を元気にさせるお仕事で、娘を育てる為にお金を稼いでいることは、誇らしいと思う。それに、朱梨さんは朱梨さんだ。
「僕は、朱梨さんのお母さんは凄いと思うよ?きっと、お母さんのおかげで、朱梨さんは高校生活エンジョイ出来てるんだもんね?僕は嫌じゃないから、安心してよ。ただ…コイツに耐えられるか、朱梨さんの身体が心配なだけで…。」
「理解してくれて、ありがとう…。」
「お兄ちゃんのエッチ!!きっとエッチな想像してるでしょ?バケモノ感増してるしぃ…。」
空気をぶち壊すかの如く、蚊帳の外にされていた英莉菜が割り込んできた。
「もう…いい加減に風呂入らないか?」
「そ、そうだよね。は、入らないと…。」
朱梨さんの目線の先にあるのが何かは分かっているが、もう自分ではどうにもならない段階にきている。
──バサンッ…バサンッ…
「僕、先入って待ってるからさ?二人とも早く来なよ?」
──ガラッ…!!
ゆっくりと長袖の部屋着を脱ぐと、洗濯機の中へと先程脱いだジャージや下着も一緒に放り込むと、少し重めなお風呂場の引き戸を開けた。
「あー!!待ってぇ!!お兄ちゃん!!身体洗わず待っててぇ!!」
風呂場に入りかけていた僕は、英莉菜の声で思わず洗面所の方へと振り向いてしまった。
たわわに実った大ぶりのメロンが四玉、宙に浮かんでおり、これから部屋着のルームパンツを脱ごうと前屈みになって、手を掛けているところだった。
もう、これ以上の刺激はヤバい…フルバースト寸前だ。
──パサッ…
「え…っ?!あ…暁人くん…?」
ルームパンツとショーツを脱ぎ終わった朱梨さんと、ちょうど目が合ってしまった。その脱ぐ一部始終を、食い入るように見守っていた僕が悪い。
「見る…?」
朱梨さんが完璧なポージングで、僕に見せつけてきた…。きっと朱梨さんは相当の覚悟でなのだろう。その覚悟を不意にするバカは最低だろう。あー。したい…。無性に…朱梨さんと、今すぐしてしまいたい気持ちが湧き上がってきてしまう。
「もうっ!!お兄ちゃんもぉ…朱梨さんもぉ?お風呂入ろう!!」
二人の世界を遮るかのように、一糸纏わぬ姿の英莉菜が再び割って入ってきた。あれ?!昨夜まであった、綺麗に揃えられた可愛らしいおけけが無くなっていた。
「ああ、そうだな…。入ろう入ろう…。」
未だに風呂場にすら入れていない訳だが、これから三人で風呂場でなにする気なんだよ…。本当、襲ったらゴメン。