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第三の日
少女は、目の前で次々と変化していく世界のその姿に息を呑んだ。
その移ろいは、あまりに早く、現実離れしていた。
だが同時に、どこか彼女の知る世界に近い何かが感じられた。
(本当になんだってんだここは…。)
それは驚愕と気味悪さ、そしてわずかに胸の奥に響く高鳴りが入り混じった感覚だった。
その時、再びあの声が響き渡った。どこまでも届くような、深く静かな声。
「地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける果樹を、地に芽生えさせよ。」
その言葉に応じるように、荒れた大地から緑の芽が次々と顔を出し始めた。
それは、少女の知らぬような植物たちだったが、どこか生命の力強さを感じさせる青々とした草木であった。
それから、様々な形の種を抱えた草や、色とりどりの実をつける木々が、次々と芽吹き、勢いよく成長していく。
わずかな瞬間のうちに、その光景は草原となり、森が広がり、自然の息吹がこの地を覆い尽くした。
こうして第三の日が訪れた。
世界はあまりにもーーー
あまりにも色彩に満ちていた。