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新世界創造  作者: プラトー
第5章
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新暦第二の年 伝導師

レーリアは、ケセフが神の元に赴き、救済を受けたという知らせを聞いた瞬間、胸の内がざわめいた。


居ても立ってもいられず、気づけば彼の元へと駆け出していた。


あの日、大母様、いや神の御降臨を見たその瞬間から、彼女の魂は何かに突き動かされるように震えていた。


まるで見えざる声が彼女に呼びかけているかのように。「役目を果たせ」と――。


その日以来、レーリアは自らの役割を知りたくてたまらなかった。


神の真意をひと目でいいから伺いたい。

何かを学び、そして自身の使命を見出したいと切望していたのだった。


しかし、その思いとは裏腹に、父母や兄にある特別なものが、自分にはないことが、何よりもずっと彼女を悩ませた。


そうして、一月もの間、彼女は神の跡を追って彷徨い続けた。


だが、どこにも神の姿はなかった。

何も見つけられない自分が無力に思えた。


ついに疲れ果て、肩を落として家に帰ったのはつい数日前のことだった。


その日の朝、食事の席でケセフが神から救いを授かったことをローシュから聞かされた時、レーリアの心は一気に燃え上がった。


「どうしてケセフだけが…」

その思いは心の中で何度も繰り返された。


落ち着いて食事など誰ができようか。

音を立てて立ち上がると、まるで春を告げる嵐の風のごとく、迷いなくケセフの元へと飛んで行った。

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