招集
「──と言うわけで、貴方はパーティーに招集されることになりました」
「えっ……やった!……やったぁ!」
「残念ながら司書の仕事は辞めることになりますが……」
「それでもいいです!すっごい嬉しいです!」
この日、新しい冒険者が生まれた
名はアイス
白髪で真っ白な肌でかなりの美貌の持ち主である
「お祝いとして図書館から数冊本を持ってっていいですよ もちろん退職金も渡します」
「え?本いいんですか?やったぁ!」
アイスはぴょんぴょんと跳ねて喜んでいる
彼女の夢は冒険者だったが試験に何回も落ちてしまい落ちこぼれという烙印を押されてしまった
紆余曲折あり彼女は図書館の司書になることになった
16歳という若い年齢で司書になり、
そして2年目の今年に国で重要な
天空図書館
という図書館に配属された天才である
「正直心配です……あなたがいきなり冒険者になるなんて……」
「大丈夫ですって!」
「……難解任務……」
「ほぇ?いきなりどうしましたか?」
アイスは首を傾げる
「難解任務解決パーティー……それがあなたの配属されるチームです……」
「おぉ!報酬いっぱい!」
「だから心配なんです……自分がスカウトした人が死ぬのは嫌です……」
「大丈夫です……先輩もわたしのことを気遣った上ですよね……だから苦しいです……心が締め付けられてるみたいです……」
「なら……」
「だから行かせてほしいです……」
先輩司書はアイスが行きたくないと言ったら拒否しようとしたのだが
本人が行かせてくれと言ったので断らないことにした
「ならばあなたを行かせます 幸運を祈りますよ」
「はい!」
アイスは嬉しそうに返事をして部屋を後にした
「なーんてね、全然うれしくなんてないですよ」
アイスはそう言いながら図書館の火にあるものを燃やしていた
不合格
と書かれた通知表だ
「いやぁ、遂にわたしが選ばれましたかぁ?当たり前のことですなぁ?なんで選ばれなかったんだろう!」
この女、中々にポジティブすぎる性格である
故に不合格になっても次また受かると思ってたのだ
「チームですかぁ……一体どんなチームなんだろう……わたしの足を引っ張らないでほしいですねぇ……」
遂に不合格通知表が全て捨て終わると
「さよなら!わたしの青春!そして遂にきた!わたしの黄金時代!世界に名を轟かす冒険者になってやりますよ!」
そう宣言して
図書館から数冊の魔導書を持って目的の場所へ向かうのであった
「ここがわたしたちの拠点……すごい豪邸ですねぇ……」
管理人らしき人には
元気いっぱいの新人です
と伝えたら通してくれた
そこから隠し通路を通ったら豪邸が現れたのだ
この豪邸は地元の人にすら知られてないのではないか?
と思うほどの隠し通路の精度だった
アイスはごくりと生唾を飲みドアを開ける
「天空図書館元司書アイス!ただいま到着しました!」
名乗りを上げてドアを開けると数人の男女がいた
アイスは
「あれ?全然リアクションありませんね?」
の首をかしげているが
「お前、冒険者試験に受かったか?」
「い……いえ……受かってませんけど……」
いきなりアイスはライトグリーンの髪の女にそう詰め寄られる
アイスは困惑しながらも返答していると
いきなり鐘が鳴った
「わたしはあなたたちを歓迎します
新たなる勇者パーティーの皆さん」
唯一生き残った勇者
アイリスがそう口にした
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