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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

貴族の平民落ち

貴族の平民落ちは罰であって、決して平民に迷惑をかけるものでは無い。 なのでつまりは、後始末に苦労する人達の話。

作者: 更夜

つまりは、後始末する人達は大変で、命令して終わりの人は分かっているのかと、現場からの愚痴ですね。


追記 後日談を書きました。

平民落ちした元貴族。

マトモな平民からすれば関わりになりたく無い存在である。

何か悪い事をしたので無ければそうなっていない訳だから、人柄に問題ある可能性が高い。

冤罪の可能性もあるかも知れないが、そんなの平民には分かりっこない。


貴族に多少の怨みも有る人も居るが、もし万が一貴族に舞い戻るとまでは行かなくても、関わりの有った他の貴族の手助けがあるかも知れないので、揶揄う程度の事でも躊躇われる。

平民落ちに対して、貴族が関わることは先ず無いのだが、これも分かりっこない。

つまり、元貴族の平民落ちは平民からすれば、厄介ごとの塊でなのである。


だがしかし、実は積極的に関わろうとする人達も居る。

後ろ暗いお仕事の人達が多い。

元貴族を利用して美味しい思いをしようとする魂胆だが、本人だけならともかく、周りに迷惑をかける様では困る。


実際、過去に詐欺等に利用された例もある。

貴族の後ろ盾があると謳った投資詐欺。

貴族の御用商人になれる詐欺。

貴族からの要望を盾にした恐喝行為。

元貴族なので、貴族のふりもお手のものなので、打って付けの人材なのだ。

事が発覚した時に切り捨て易いし、なんなら首謀者として差し出しても良い。


そうして色々と問題が発生した結果、そういった諸々を防ぎ、平民に迷惑をかけない為の役割が必要とされた。


その役割とは、平民に周知徹底される為の広報担当であり、平民落ちに対して厳しく当たっても罰はないと保証する役割、永く苦しんで貰う為?に平民の振る舞いを教える教師であり、平民暮らしの案内人。


押し付け合いもとい、最適な人物を出せる所を検討した結果、騎士団に話が持っていかれ、そこでも検討し人材の選定が行われた。

騎士は貴族なので論外。

嗜みとして剣術を習っている貴族も多いので対応できるよう従騎士資格持ち推奨、裏も含めて平民事情に詳しく、機転が利くと尚良し。

そして、丁度良い人物に当てがあった。


彼は、貧民街出身で、運もあったが本人の努力の末、従騎士資格を得た。

基本的に裕福な平民出身が多い従騎士の中で普通の平民出身も少しはいたが、流石に貧民街出身は彼が初めてだった。

その為、候補生訓練の中で色々な嫌がらせも有ったが、幸い応援してくれる奇特な友人達に恵まれた事もあり、無事資格を得ることが出来た。

今では、本人の努力も能力の高さも周りに認められている。

奇特な友人達からの無茶振りにも応えられる機転も高評価。


ちなみに奇特な友人達の中には高位貴族も居る。


そして、今後の貧民街からの人材発掘のお手本となる事も期待されている。

なので、色々な仕事に手を抜けない。

要は便利屋扱いされているのだ。


そんな訳で、彼は今日も貧乏籤を引く。


「はぁ、めんどくせぇ。こっちだ。」


「何という口の利き方だ。まあ良い。我は寛大だ。早く案内せい。」


彼は考える。

コイツ自分の立場が未だ分かってない奴だ。つまり面倒な奴。

つまり、アソコに行くのが先だなと。


こういう人物用の場所に連れて行く事にする。

勿論話は通してある。


冒険者ギルドである。


「何だこのむさ苦しくて、汚い所は!早く休める所に案内すべきだろうが!」


何か怒っているが、相手にするのもメンドクサイ。


今後の生活の為にとか、剣術を習っているのなら活かす方がとか適当に言って、資格試験にブチ込み、ボコボコにしてもらう。

高過ぎる鼻っ柱をへし折ってから次へ行く。


平民落ちに際して、財産等は勿論没収されているが、当面の生活費は当てがわれている。

ただ、以前の感覚で使うと一瞬で無くなる。

次にする事は、金銭感覚の矯正である。

のたれ死んでくれても構わないのだが、そうなる前に犯罪者になる可能性も高いし、宿で首を括られても迷惑である。


いっそのこと強制労働所に送り込むとか、表向きは無い事になっている奴隷にした方が簡単だと思うのだが、色々有るらしい。


安い装備一式を揃え、安い食事の仕方を教えて、安宿に連れて行って本日は終了である。

勿論その際に、事情と顔を広めて貰っている。広報活動である。ボコボコにされているので、面相は多少変わっているのだが。


元貴族君は、グチグチ文句を言っていたが、ギルドでボコボコにされた事もあり、声は小さい。


そこで解散なのだが、彼の事は世話役と思っていたらしく、元貴族君から何処に行くのだと詰問される。

今日の仕事は終わりだと言って去ろうとしても、見捨てるのかとしがみ付いてくる。

元貴族君の貌を少し整えてから、宿を去る。


元貴族君との仕事は終わったが、騎士団への報告、街の衛所への情報提供、貧民街の顔役への言伝等、仕事は終わっていない。


溜め息を吐いて、歩いて行く。

従騎士に関しては、とあるマンガの登場人物がモデルです。

分かる人には分かるのかな?


追記 後日談を書きました。

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― 新着の感想 ―
[一言] ほんとねぇ。なろうでは修道院、平民、国内外追放が多すぎですよ。そして安易なんですよね。作者が考えるのが面倒くさいと理由だと思いますが。貴族の犯罪者を面倒見きれないから押し付けているようにしか…
[一言] いつか、シリーズ化にしてほしいです。m(__)m
[一言] 平民落ちは明治維新の四民平等で華族になれなかった元旗本、元大名なんかがそれに近く。 彼らの多くがどうなったかというと、商売に手を出して失敗したのが多い。 ただ、異世界ものの元貴族だと領地運営…
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