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心臓  作者: figaro
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吸血鬼

心臓に穴が開いているらしい。

自分では自覚症状はない。

先天性のものらしく、

生まれた時から開いていたはずで、

大体は30歳過ぎくらいから症状が出るらしい。

息苦しいとかむくむとか。

このまま心臓に穴が開きっぱなしだと

寿命が短くなるらしいので手術するといいらしい。


子供の頃

吸血鬼もののコミックにハマっていた。

心臓が動いていないのが吸血鬼で、

バラを枯らし、

歳をとらない。

なんと儚げな主人公かと憧れた。


私は吸血鬼になりたかった。


診察室で次の診察の予約をして会計に行って待っていた。

高齢の人たちが待合室を埋め尽くしていた。


「心臓に穴が開いてるって?」


急に話しかけられ、びっくりした。

隣に座ってきた。

待合室では一際若い髪の毛長めの男。

男というよりは中性的な感じ。


循環器科の診察室から出てきた私を見て話しかけてきたのか。

でも穴が開いてるとなぜ知っているのか。


「そんな心臓いる?

いらないでしょ」


立て続けに話しかけてくるが、

私も面白く感じたので、


「いらないといっても、

 ないと生きていられないので

 必要ですよ」


と笑顔で答えてやった。

すると


「ああ、生きていたいのですか」




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