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旧 三つの僕〜鏡と影と自分〜  作者: 優鈴-ゆうり-
1/8

EP.0〜はじめまして〜

僕には変な僕がいる。鏡の前に立つと、鏡が動き喋り出す。

その僕に「あなたは誰?」と聞くと、必ず「鏡の世界の僕」と言う。

僕はその僕を「鏡くん」と呼ぶ。鏡の中の鏡くん。どうして僕だけわかるのか。


自己紹介がまだだね。僕は嘉神かがみ ゆう。小学4年生。

勉強も運動もそこそこできる方だと思う。

同級生には「いつも冷静すぎて怖い」って言われるタイプの人。

血液型はO型。誕生日は4/4。

まぁ僕の話はこれくらいにして、鏡くんの話をしよう。

これはちょっと怖くて、ちょっと面白い‥そんな話だ。


鏡くんはいつもいる。水溜りにも鏡にも。僕の信頼できる人。

実は僕には後1人僕がいる「影くん」だ。

僕は物心ついた時から影くんと鏡くんとお話ができた。

いつも僕のことを理解してくれる。


ーある日、影くんにも「あなたは誰?」って聞いてみた。

そしたら今度も「影の世界の僕」と言う。

「二人にあって触ってみたい」と言うと、

「時が来る。それまで待ってて」と言う。


ーその時は意外と早かった。10歳の誕生日の夜。僕はとある夢を見た。

気づくと見知らぬ場所に立っていた。目の前には鏡くんがいた。

「どうして鏡も水溜まりもないのにここにいるの?」

「ここは鏡の村。僕みたいな鏡の住民が住んでいるんだよ。」

「でも鏡くんに触れるよ。今までは触れなかったのに、なんで?」

「それは鏡の村だからだよ。触れるし、いっぱい遊べるの!」

それから僕は鏡くんといっぱい遊んだ。


「…おや。もうこんなに経ったんだ。じゃあ今度は影の村に行ってきな。

影くんも待ってるよ。」

「でも…僕は、まだ鏡くんと遊びたい!」

「大丈夫。また来たかったら、鏡にさわって

<鏡の村に行きたい!>って4回心の中で唱えて。

そうしたらまたこっちに来れるよ。

悠くんの世界とは時間軸が違うから、10時間居ても、

悠くんの世界では一秒だから、そこは大丈夫。

でも気をつけて、寝ている時に会うのは一秒一分同じだから。

影の村でもそれは同じだから注意してね。

ここにはどの鏡でもこれるよ。影もどの影でもこれるよ。

影同士、鏡同士の移動もできるよ。でも気をつけて、

遅刻しそうだから使ったり、面倒臭いから使ったりすると、

二度と僕と会えなくなるから…。」

「うん!」

「注意事項はこれくらいかな。じゃあ今回は特別に僕に力で影の村に送るね。

これはあんまり使っちゃいけないから、今回だけだよ。

次からは一回鏡の村から僕が悠くんの世界に戻して、

悠くんが影の村に行くって言う感じになるよ。それじゃあ準備はいい?」

「うん!大丈夫!」



ー気づいたら影の村にいた。隣には影くんがいた。

「影の村へようこそ!」

「影くんはやっぱりシルエットのままだね」

「まぁ、影の村の住人はみんなこうだからね。

こんなんじゃないのは、悠くんみたいな能力を持ってる人だけだよ」

「能力?」

「そう!本当はみんな鏡の中や影の中に自分がいるんだけど、

それを知っている人は少ないんだ。

その中でも、生まれつき持っている悠くんみたいな人は、

千年に一人って言われてるんだよ。」

「そんな能力が僕に…正直すっごく驚いてるよ」

「でもその代わりの代償もある。」

「代償って?」

「悠くんさ。同級生に『怖いくらい冷静』とか『喋る言葉がちょっと子供っぽい』なんて言われたこと、あるよね。」

「うん」

「それが代償。生まれつきでも、そうじゃなくても、

何かがマイナスになることで、俺たちと話すことができるんだ。」

「でも僕はあまり不便だとは思わないよ?」

「それならいいんだ。」


ーその後僕らはいっぱい遊んだ。遊び疲れるまで遊んだ。

「そろそろ。帰る時間だね。」

「うん。また会おうね。」



ー気づいたら見慣れた天井が見えた。

びっくりして洗面台に行って鏡くんに尋ねた。

「今日の夢って本当?」って

そしたら鏡くんは、

「本当さ。僕らは何回だって遊べるんだよ。」

影くんも

「ついでに言うと影も操れるようになってるよ。

俺に会えるようになったから、俺の能力が使えるようになったんだ。

でも、これも悪用しちゃダメだよ。

ピンチの時とか、身の危険を守るために使ってね。」

「うん!」

その時、

「悠!朝ごはんできたわよ!」

と、お母さんの声がした。

僕は

「今行きます。」

と返事をした。

さぁ、これから、悠を中心にして、周りはどのように変化するのか⁉︎

                         ー次回に続くー

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