プロローグ
日々の仕事をこなしていく中で、少しずつ書いていこうと思います。
余力があれば、挿絵なども取り入れたらいいな。
拙い文章で申し訳ないですが、読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたしますね。
「エレナ。カトレアはもう、、、。今が決断する時だ、、、。」
ーー俺だってこんな事はエレナに言いたくない。でも俺は知っている。他の街で、村で、こういう症状になってしまった人達の末路を。話し合う時間も残されていない中、みんな、苦渋の決断をしてきたんだ。
俺の言葉を聞いて暫くうつむいていたエレナは振り返って泣きながら俺に寄り添ってきた。
「アキトぉ、本当に、、、本当に他に方法がないの?あたし、、、あたし、元気になったカトレアお姉ちゃんと、、、また、、、お話したいよぉ。」
泣いているエレナを見て俺も暫く黙るしかなかった。
ーー何か方法があれば、俺だってエレナに教えたい。でも今まで旅をしてきた俺にも思い浮かばないんだよ・・。
目をつむり、エレナの肩を両手で掴み、抱き寄せた。エレナは俺の胸の中ですんすんと静かに泣いていた。
ーー本当は大声で泣きたいんだろう。でもこの瘴気漂う中で泣き、瘴気を体内に吸い込んでしまえばエレナもカトレアと同じ症状になってしまう可能性がある。
感情と行動が相反しているようで、エレナはそれでも必死に自分の感情を必死に押し込めて生き抜こうとしていた。そんな姿をみて俺は自分が内心諦めている事に気づいた。
ーー他の町で同じ症状を見てきたからなんだっていうんだ。みんなつらい選択をしてきたからってなんだ。俺が、おれが冒険者になったのはこんな事を伝えにきたわけじゃないだろ。今を生きている人達、これから生きていく人達に世界の真実を伝えたいからじゃないのかよ。
考えろ、アキト!
今までの旅をしてきていろんな人達と話してきて得た知識を使って!仮説でも良いから何か別の方法を探し出すんだ!
目の前で大切な人を失いかけているエレナを救う為に!
目の前でまっすぐに涙を流している人を助けるために・・!